草堂寺 (西安市)

草堂寺

草堂寺（そうどうじ）は、中華人民共和国陝西省西安市鄠邑区に位置する仏教寺院です。この寺は、中国仏教の三論宗、華厳宗、そして日本仏教の日蓮宗という、三つの宗派にとっての祖庭として、世界で唯一の場所として特別な意味を持っています。

歴史

草堂寺の歴史は、後秦時代の弘始3年（401年）に、当時の皇帝であった姚興によって創建されたことに始まります。創建当初は逍遥園と呼ばれていました。名高い僧侶である鳩摩羅什は、姚興の招きに応じて長安に赴き、この逍遥園に住むことになりました。その後、鳩摩羅什の住居として園内に草堂寺が建てられました。寺の名前は、鳩摩羅什が経典を翻訳した場所の屋根が草で葺かれていたことに由来します。

隋代の大業2年（606年）には、李淵が寺院に仏像を寄贈しました。唐代に入ると、貞観年間（627年 - 649年）に太宗がこの地を訪れ、詩を残しています。その詩には、「一水抱城西、煙靄有無、柱杖僧帰蒼茫外。十万流沙來振錫、三千弟子共翻経。文含金玉知無朽、舌似蘭蘇尚有蓉。堪嘆逍遥園裏事、空餘明月草青青」とあります。開元年間（713年 - 741年）には、飛錫法師が寺院を訪れて仏教を広めました。元和年間（806年 - 820年）には、華厳宗の五祖である圭峰宗密法師が寺院を再建し、長年にわたり著述と講義に励んだことから、草堂寺は華厳宗の祖庭ともされています。この時、「棲禅寺」と改称されました。しかし、唐の滅亡後、長年の間手入れが行き届かなかったため、寺は荒廃してしまいました。

北宋時代の乾徳4年（966年）には、朝廷の支援によって寺院が再建され、再建後に「清涼建福寺」と改名されました。金の明昌4年（1193年）には、辯正法師が寺院を修復し、講堂を増築しました。清代に入ると、雍正12年（1734年）に「聖恩寺」と改称されましたが、同治年間（1862年 - 1874年）の兵火によって焼失してしまいます。さらに、光緒7年（1881年）には土石流によって倒壊するという災難に見舞われました。

1952年以降、地元政府は寺院の修復に取り組み、1956年8月6日には、陝西省人民政府によって陝西省文物保護単位に認定されました。1983年には、中華人民共和国国務院によって漢族地区仏教全国重点寺院に認定されています。

伽藍

現在の草堂寺には、山門、天王殿、大雄宝殿、大悲殿、法堂、蔵経閣、鳩摩羅什紀念堂などの建物があります。

脚注

参考文献

* 張馭寰 (2012). “華厳宗祖庭：鄠県草堂寺、長安華厳寺” (中国語). 『図解中国仏教建築』. 北京市: 当代中国出版社. pp. 216–217. ISBN 978-7-5154-0118-8 

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