草木インターチェンジ

草木インターチェンジ（くさぎインターチェンジ）とは

草木インターチェンジは、かつて静岡県浜松市天竜区水窪町奥領家に位置していた、三遠南信自動車道に属するインターチェンジでした。このインターチェンジは、三遠南信自動車道が長野県との県境を越える区間の一部として建設された草木トンネルの開通と同時に、1994年7月14日に供用を開始しました。

計画変更とインターチェンジの廃止

当初の計画では、インターチェンジの北側に位置する兵越峠付近のトンネルを通じて県境を越える予定でした。しかし、その後の地質調査で、兵越峠付近の地盤が非常に脆弱であることが判明し、トンネル工事が困難であると判断されました。そのため、ルートは兵越峠の西側に位置する青崩峠付近のトンネルに変更されました。

この計画変更により、草木トンネルは自動車専用道路から一般道路へと変更され、それに伴い、草木インターチェンジも廃止されることとなりました。兵越峠側の本線が建設されなかったため、草木トンネルの本線とランプウェイが直接接続する特異な構造のインターチェンジでありました。

インターチェンジのその後

インターチェンジ廃止後、その分岐箇所には準備工事の跡が残るのみとなり、現在では通常の高架道路となっています。かつてインターチェンジが存在したことを示すものはほとんど残っていません。

参考資料

佐藤健太郎『ふしぎな国道』講談社〈講談社現代新書〉、2014年。ISBN 978-4-06-288282-8。
中日本高速道路株式会社
国土交通省 中部地方整備局 飯田国道事務所
青崩峠道路懇談会への報告 国土交通省 浜松河川国道事務所・飯田国道事務所 2005年12月（2010年4月4日アーカイブ） - 国立国会図書館Web Archiving Project
草木トンネル工事記録 / Kusagi tunnel construction record - 飛島建設 YouTubeチャンネル 2022年10月21日公開
「「草木（くさき）トンネル」が三遠南信自動車道として建設されたものの国道152号に編入された経緯と「青崩（あおくずれ）トンネル」建設の経緯について知りたい。」（県立長野図書館） - レファレンス協同データベース

草木インターチェンジは短期間で廃止されてしまいましたが、その背景には道路計画の変更という重要な出来事がありました。このインターチェンジの歴史は、道路建設における様々な課題と、それに対する技術的な対応を垣間見ることができる興味深い事例と言えるでしょう。

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