荻野要

荻野要（おぎの かなめ）氏は、1979年8月28日生まれの日本の元騎手であり、現在は日本中央競馬会（JRA）栗東トレーニングセンター所属の調教助手です。

幼少期より乗馬に親しみ、競馬学校14期生として騎手への道を歩み始めました。同期には、後に著名な騎手となる池添謙一氏や太宰啓介氏、酒井学氏らが名を連ねています。1998年3月、栗東・増本豊厩舎からデビュー。初騎乗は中京競馬場で行われ、いきなり4着と好スタートを切りました。デビューから間もない同年3月7日には初勝利を挙げ、早くも才能の片鱗を覗かせました。

その後も順調にキャリアを重ね、同年9月には重賞競走であるエルムステークスに騎乗するなど、着実に経験を積んでいきます。デビューイヤーには15勝という輝かしい成績を残しました。

しかし、荻野氏の騎手人生は、数々の怪我に見舞われるという試練にも彩られました。1999年1月には京都競馬場で落馬し、第7、8、9胸椎圧迫骨折の重傷を負います。その後も同年7月には函館競馬場で落馬し、左踵骨骨折および左第二指末節骨骨折を負うなど、度重なるアクシデントに見舞われました。

これらの怪我の影響もあり、1999年以降は勝ち星が伸び悩み、苦しい時期が続きます。2001年からは減量騎手枠からも外れ、騎乗機会も減少。2005年10月以降は勝利から遠ざかり、厳しい状況に立たされました。

それでも荻野氏は諦めずに騎手としての道を続け、2012年には7年ぶりに1番人気に推されるなど、再び脚光を浴びる場面もありました。しかし、そのチャンスを掴むことはできず、2013年9月15日、阪神競馬場で行われたレースを最後に騎手を引退しました。JRA通算成績は1160戦45勝でした。

騎手引退後は、石坂正厩舎で調教助手として第二の人生を歩み始めます。その後は、2018年に開業した武英智厩舎に所属し、シンハライトやモーニン、メイケイエール、ペプチドナイルといった、数々の活躍馬を支えてきました。

2024年3月24日には、中京競馬場で行われたメイケイエールの引退式に、武英智調教師や主戦騎手だった池添謙一氏らと共に登壇。関係者の一人として、メイケイエールの輝かしいキャリアに花を添えました。

荻野要氏は、騎手時代は怪我に苦しむなど波乱万丈なキャリアを送りましたが、調教助手として長年に渡り第一線で活躍しています。数々の名馬の育成に貢献し、競馬界に多大な功績を残しました。その経験と知識は、後進の育成にも活かされていることでしょう。現在も第一線で活躍する荻野氏の今後の活躍にも期待がかかります。

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