菅原正豊

菅原 正豊（すがわら まさとよ）氏は、1946年1月28日に東京都大田区で生まれた、日本の著名なテレビプロデューサー、ディレクター、そして実業家です。テレビ番組制作会社であるハウフルスの代表取締役社長を務める傍ら、関連会社のフルハウスの取締役も兼任しています。

幼少期から慶應義塾に通い、幼稚舎から中等部、高校を経て、慶應義塾大学法学部を卒業しました。学生時代には、テレビの世界に足を踏み入れるきっかけとなる経験をしています。日本テレビの深夜番組『11PM』でアシスタントディレクターのアルバイトに従事し、番組制作の現場に触れました。

大学卒業後、菅原氏はすぐには就職せず、放送作家として番組の企画・構成に携わったり、知人の広告代理店で仕事を請け負ったりしていました。そして1973年5月、関口晃弘氏、原伸次氏と共に、PR代理店であるフルハウスを立ち上げました。さらに1978年には、フルハウスの内部に設立された番組制作部門を独立させ、「フルハウステレビプロデュース」を設立します。この会社は後に社名をハウフルスに変更し、現在に至ります。菅原氏は社長として経営を担いながらも、現場主義を貫き、テレビディレクターとしても積極的に活動しました。

1980年代後半、菅原氏は日本テレビ社内で発足した「クイズプロジェクト」に、外部の立場で参加するという異例の形で名を連ねます。渡辺弘氏、小杉善信氏、吉川圭三氏、五味一男氏といった局内の精鋭たちと共に、日本のテレビ史に残る人気クイズ番組の数々を企画・立ち上げに貢献しました。『クイズ世界はSHOWbyショーバイ!!』や『マジカル頭脳パワー!!』といった大ヒット番組の誕生に深く関与し、主にディレクターとして番組の演出を手掛けましたが、『マジカル頭脳パワー!!』ではプロデューサーとしても名を連ねています。これらの番組は、その後のクイズ・バラエティ番組に多大な影響を与えました。

また、1992年8月に放送された『24時間テレビ「愛は地球を救う」』では、番組が視聴率低迷に喘いでいた状況を打破するため、大規模なリニューアルが実施されました。クイズプロジェクトがプロデュースと演出を担当することになり、菅原氏は総合演出としてこの改革の中心を担いました。それまでのドキュメンタリーを中心とした構成から、バラエティ色を強める方向へと舵を切ったのです。菅原氏の「日本武道館を巨大なカラオケ会場にしたい」という斬新なアイデアや、小杉氏の発案による間寛平氏のチャリティマラソン企画などが功を奏し、この年の『24時間テレビ』は歴代最高の視聴率を獲得し、番組の人気を劇的に回復させました。

長年にわたるテレビ番組制作における功績が認められ、1993年度にはATP賞特別賞を受賞しています。

菅原氏が関わった主なテレビ番組は多岐にわたり、その多くが視聴者の記憶に残る作品です。以下にその一部をリストアップします。

『11PM』(日本テレビ系) AD, ディレクター
『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系) 演出, 企画監修
『ミュージックステーション』(テレビ朝日系) スーパーバイザー (現行)
『クイズ世界はSHOWbyショーバイ!!』(日本テレビ系) 演出
『マジカル頭脳パワー!!』(日本テレビ系) プロデューサー
『THE夜もヒッパレ』(日本テレビ系) 総合演出, 監修 (2025年特番時)
『24時間テレビ』(日本テレビ系) 総合演出
『タモリのボキャブラ天国』シリーズ (フジテレビ系) 総合演出
『チューボーですよ!』シリーズ (TBS系) 総合演出, 企画演出, 企画監修
『出没!アド街ック天国』(テレビ東京系) 総合演出, 監修 (現行)
『どっちの料理ショー』シリーズ (日本テレビ系・読売テレビ製作) 総合演出, 監修
『秘密のケンミンSHOW』(日本テレビ系・読売テレビ製作) 監修

これらの実績からもわかるように、菅原正豊氏は日本のテレビバラエティや情報番組の発展に貢献した、影響力のある人物としてその名が知られています。

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