菅野浩和

菅野浩和（すがの ひろかず）

菅野浩和は、1923年6月12日に東京府で生まれ、2011年1月15日に87歳で生涯を閉じました。彼は作曲家、音楽評論家として、日本の音楽界に大きな足跡を残しました。

生い立ちと音楽の道

菅野は1941年に東京府立第一中学校を卒業後、1949年に東京音楽学校（現在の東京藝術大学音楽学部）作曲科を卒業しました。作曲を山本直忠、金子登、石桁真礼生らに師事し、音楽の基礎を築きました。彼の作品は、合唱曲、オペラ、歌曲、器楽曲など多岐にわたり、その音楽性は非常に豊かです。

作曲家としての活動

菅野は、親しみやすい合唱曲やオペラ作品を数多く作曲しました。特に女声合唱のための「追憶の詩集」は、彼の代表作の一つとして広く知られています。その他にも、オペラ「異本出雲風土記」や「イソップの森」、音楽劇「ごんぼうぎつね」など、バラエティ豊かな作品を手がけています。

音楽評論家としての活動

作曲活動と並行して、音楽評論家としても活躍しました。1970年代には、NHK-FMの日曜日夕方のオーケストラ番組で、わかりやすく品のある解説を行い、多くのリスナーから支持を得ました。その解説は、音楽への深い理解と愛情に満ちており、聴衆を音楽の世界へと誘いました。

主な作品

オペラ「異本出雲風土記」
オペラ「イソップの森」
音楽劇「ごんぼうぎつね」
オルガンのための3つの悲歌〔Tres lamentationes〕
変奏曲〔Variazioni〕（ギター独奏）
歌曲「狐の御礼」
歌曲集「雪のふるころ」
歌曲「五つの歌」
無伴奏男声合唱、あるいは女声合唱とピアノ「きつねとかわうそ」
四重唱あるいは混声四部合唱「古屋のもり」
混声合唱「草の實の歌」
二部合唱「山の歌」
混声合唱組曲「童謡による三つの混声合唱曲」
合唱組曲「東京のわらべうた」（混声合唱）
混声合唱「コーラスしましょう」
女声合唱「童画風な色彩による五つの断章」
女声合唱のための組曲「追憶の詩集」
無伴奏男声合唱曲「四つのスケッチ」
女声合唱、フルート、ピアノのためのバロック風組曲「追想――ビルゲルヤール街への追想」
無伴奏混声合唱「田植え地蔵」（松谷みよ子作詞）

著書

菅野は、音楽に関する深い知識と洞察に基づいた著書も残しています。

シベリウス生涯と作品（音楽之友社）
演奏の形態（音楽之友社）
神の歌人の歌（帰徳書房）
グリーグ（音楽之友社）

晩年

菅野浩和は2011年1月15日、呼吸不全のため東京都三鷹市の病院で息を引き取りました。享年87歳。彼の音楽への情熱と才能は、後世に大きな影響を与え続けています。

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