菊池宏之

菊池 宏之（きくち ひろゆき）

1983年12月13日生まれ、兵庫県尼崎市出身の元プロバスケットボール選手。ポジションはシューティングガードで、身長192cm、体重83kg。

バスケットボールとの出会いと学生時代

バスケットボールを始めたのは、尼崎市立立花中学校在学中の13歳。漫画『SLAM DUNK|SLAM_DUNK』を読んだことと、兄の影響がそのきっかけだった。その後、尼崎市立尼崎高校へと進み、3年生時にはキャプテンを務め、2001年のインターハイで初戦を突破する成績を残した。

大学は京都産業大学へ進学。1年生の頃からレギュラーポジションを獲得し、第29回関西学生選手権で最優秀新人賞を受賞。チームをリーグ戦優勝に導く貢献を果たした。2年生時には新人戦でも再び最優秀新人賞に輝き、その才能を示した。3年生では第31回関西学生選手権で2年ぶりの優勝に貢献し、優秀選手賞を受賞。リーグ戦も制覇した。最終学年の4年生時には、西日本学生選手権および関西学生リーグ戦で準優勝となり、敢闘選手賞を贈られた。関西学生選抜チームには3年次と4年次に選ばれている。大学時代、関西の舞台では特に近畿大学との間で激しいライバル関係があり、後にプロでチームメイトとなる岡田優選手とは何度も対戦を経験した。

大学在学中は毎年、全日本大学バスケットボール選手権大会（インカレ）に出場。また、2年生時を除く全ての年で全日本総合バスケットボール選手権大会（オールジャパン）にも参加し、4年生だった2006年の第81回大会では、当時のクラブチームであった富山グラウジーズを破り、2回戦進出を果たした。

プロキャリア：高松ファイブアローズでの栄光と挑戦

大学卒業を迎えた2006年、bjリーグのドラフト会議において、全体13位（4巡目）で高松ファイブアローズ（現在の香川ファイブアローズ）から指名を受け、プロ選手としてのキャリアをスタートさせた。入団当初の背番号は33。その長身を活かしたシューターとして、1年目の2006-07レギュラーシーズンでは全40試合に出場するなど、チームがbjリーグ準優勝を果たす上で重要な役割を担った。

続く2007-08シーズン、2008-09シーズンは、出場した計79試合のうちスターター出場は1試合に留まったが、控え選手として試合の流れを変えるシックスマンとしてチームに貢献した。2008-09シーズン終了後に契約満了となり、一度チームを離れることとなった。

クラブチームでの活動とプロ復帰

高松を退団した後、菊池氏は一般クラブチームのBUBBLESに所属。ここでも主力として活躍し、近畿クラブ選手権での初優勝、そして全日本クラブ選手権での3位入賞という成績に貢献した。

2010年8月、菊池氏はかつて所属した高松ファイブアローズへの復帰を決断した。復帰後の背番号は11。bjリーグの2010-11シーズンでは38試合に出場し、1試合平均10.66得点を記録。特にフリースロー成功率は82.5パーセントという高確率で、リーグ4位にランクインした。翌2011-12シーズンはレギュラーシーズン全52試合にフル出場し、スターターとしての地位を確立。平均10.02得点をマークした。2012年1月には、さいたまスーパーアリーナで開催されたbjリーグオールスターゲームに主催者推薦で初出場。このオフには他チームからのオファーもあったが、高松への残留を選択した。

2012-13シーズンからは心機一転を図り、背番号を0に変更。11月17日に高松市総合体育館で行われた浜松・東三河フェニックス戦では自己最多となる23得点を挙げるなど、このシーズンも引き続きスターターとして活躍し、47試合に出場した。有明コロシアムで開催されたオールスターゲームにも2年連続で選出され、bjリーグを代表する選手のひとりとして認知された。

引退後の活動

2015-16シーズンをもって現役を引退した。長きにわたる選手生活にピリオドを打った後もバスケットボールへの情熱は変わらず、2018年6月には香川ファイブアローズのバスケットボールアカデミーコーチに就任し、子供たちの指導にあたっている。

その他のエピソード

2013年現在、東かがわ市に在住しており、同年11月には市合併10周年記念で創設された「ふるさと大使」に任命され、地域の活性化にも貢献している。また、雑誌『MEN'S CLUB』の特集記事に2度登場したこともある。

食に関しては、好きな食べ物はキットカットだが、チーズと納豆は苦手である。

2008年には、香川県営野球場で行われたプロ野球の始球式を2度務めた経験がある。5月11日には四国・九州アイランドリーグの香川オリーブガイナーズ対愛媛マンダリンパイレーツ戦で、8月20日にはウエスタン・リーグのサーパス対阪神タイガース戦でそれぞれマウンドに上がった。これは、bjリーグの活動が地域に根ざしていることを示すエピソードと言える。

選手として輝かしい実績を残し、引退後もバスケットボール界、そして地域社会への貢献を続ける菊池宏之氏は、地元香川にとって欠かせない存在である。

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