菊麿王妃常子

菊麿王妃常子の生涯

菊麿王妃常子（きくまろおうひ ひさこ、1874年2月7日－1938年2月26日）は、日本の皇族であり、島津忠義公爵の四女として生を受けました。彼女の姉妹には久邇宮妃俔子がおり、さらにその長女は香淳皇后です。常子妃は、結婚前には同母妹の正子、異母妹の為子と共に生活をしていました。彼女の人生には、皇族としての役割に加えて、深い個人的な悲しみや信仰の道がありました。

婚姻と家族

常子妃は1902年、山階宮の菊麿王と結婚し、彼との間に3人の子供、藤麿王、萩麿王、茂麿王をもうけました。また、菊麿王には先妃との間に生まれた子供たちもおり、常子妃は彼らにも義母のように接し、子供たちからは愛情をもって「おたた様」と呼ばれました。菊麿王は常子妃が箏を演奏する姿を好み、時折、家族や使用人と共に鹿児島風カルタで楽しむひとときもありました。

悲劇的な別れ

常子妃の幸せな生活は短命に終わり、1908年に第3子である茂麿王が誕生した直後、菊麿王が突然亡くなります。常子妃は愛する夫を失い、深い悲しみに暮れました。義理の息子である武彦王が山階宮を継承しましたが、常子妃はその後も菊麿王をしっかりと心に留め、彼の冥福を祈ることを日常の習慣としました。

仏教への信仰

常子妃は仏教に帰依し、毎朝夕に花を供え菊麿王の冥福を祈っていました。その信仰心は強く、毎月28日には関東真言宗の高僧を招き仏事を執り行い、豊島岡墓地へも参拝を欠かしませんでした。彼女の心の支えとして、亡き夫のための法要を催し、特に一周忌にあたる1909年4月28日には荘厳な法要を執り行い、菊麿王の遺品を使って衣服を誂えるなど、深い敬意を持って追悼しました。

最後の時

常子妃は薨去の数年前に慢性腎臓炎にかかり、1937年10月から症状が悪化し、1938年2月に入ると昏睡状態になりました。彼女は2月25日に危篤となり、翌日にその生涯を閉じました。常子妃が亡くなる際には、徳大寺実厚公爵が勅使として、入江相政が皇后宮使として、清閑寺良貞伯爵が皇太后宮使として山階宮家を訪れ、弔いの意を表しました。また、満州国の皇帝溥儀からも弔電が送られました。

斂葬と栄光

常子妃の斂葬の儀は1938年3月3日に豊島岡墓地にて執り行われました。彼女は生涯を通じて様々な栄典を授与され、1902年には勲二等宝冠章、1913年には勲一等宝冠章を受けるなど、その功績は多岐にわたります。常子妃を支えた数々の人々やその時代の背景を通じて、彼女の存在を esteeming（尊重する）ことは、歴史を学ぶ上で非常に重要です。

もう一度検索