菫青石

菫青石（きんせいせき）

菫青石は、ケイ酸塩鉱物の一種であり、化学組成は Mg2Al3(AlSi5O18 という式で表されます。この鉱物は斜方晶系の結晶系を持ち、時にインド石という同質異像を形成することもあります。また、菫青石のマグネシウムが鉄に置換されると、セカニナ石という別の鉱物になります。

産出地

菫青石は主に高温低圧型の広域変成岩や接触変成岩の中に見られます。特に泥岩が起源のホルンフェルスに多く含まれます。また、花崗岩の一部にも存在することがあります。これらの地質環境において、菫青石は非常に重要な指標鉱物です。

性質・特徴

この鉱物は、モース硬度が7であり、堅牢さを特徴としています。その最大の魅力は多色性で、観察する角度によって色合いが大きく変わります。主に群青色から淡い枯草色に見えることがあり、この特性から「ダイクロアイト」という別名でも知られています。

桜石

菫青石の六角柱状の結晶が分解すると、白雲母や緑泥石に変化します。この過程で、結晶の形状が残り、風化によって分離された結晶断面が花びらのように見えることから、「桜石」と呼ばれています。特に、京都府亀岡市の「薭田野の菫青石仮晶」はその珍しさから1922年に国の天然記念物に指定されました。

アイオライト

菫青石は宝石としてアイオライト（iolite）とも称され、その名の通り、青みがかった菫色が特徴です。サファイアによく似ていることから、ウォーターサファイアという呼び名もあります。アイオライトの色は多様で、金属で覆われる部分も見られます。主にスリランカ、ミャンマー、インド、マダガスカルで採掘されており、インド産は特に大きく、価格も手頃です。一方で、スリランカ産のものは希少性が高く、その色合いは薄い青や無色のものもあり、特に濃い青色が珍しいとされています。さらに、特殊な効果を持つキャッツアイやスターの石も存在し、後者はインドが有名です。

サイド・ストーリー

英語での名称「コーディアライト（cordierite）」は、フランスの地質学者ルイ・コルディエの名に由来しています。このように、菫青石はその美しさだけでなく、地質学的にも重要な役割を果たしています。この鉱物は、様々な用途や価値を持つため、自然愛好家や石採りの間で大いに注目されています。

これらの特性と情報により、菫青石は宝石や鉱物の愛好者にとって魅力的な存在と言えるでしょう。

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