華厳寺 (求礼郡)

華厳寺（けごんじ、ファオムサ）

華厳寺は、大韓民国の全羅南道求礼郡に位置する著名な仏教寺院で、その起源は百済時代に遡ります。智異山の美しい自然の中に建つ華厳寺は、韓国仏教の主要な宗派である曹渓宗の第19教区本寺として、大切な役割を果たしています。

歴史的背景

この寺院は544年に高僧の縁起によって設立されました。670年には、海東華厳宗の初代宗祖である義湘によって大きな修復が行われ、寺院はさらに発展しました。義湘は丈六殿を建て、その壁には華厳経が石に刻まれました。この書は、新羅の著名な書家である金生によって書かれたとされています。

華厳寺は歴史の中で幾度も変遷を経てきました。李氏朝鮮の時代、特に太宗の時代には仏教弾圧があり、1407年に存続を許された寺院のリストには華厳寺は含まれておらず、廃寺となる運命にありました。しかし、世宗の時代の1424年には存続を許され、禅宗に属する寺院の一つとして再び歴史の表舞台に立つことができました。

その後も多くの歴史的出来事を経て、日明戦争により寺院が消失しましたが、1630年に再建されました。また、日本統治時代の1924年には朝鮮三十本山の一つに加えられ、重要な仏教拠点としての地位を再確認しました。

文化財

華厳寺に存在する文化財は、韓国の文化遺産の宝庫とも言えるものです。その中でも特に著名なのが「石燈」であり、これは韓国で最も大きな石燈で、高さは約6メートルにも及びます。他にも、「四獅子三層石塔」や「覚皇殿」があり、覚皇殿は王を悟らせた意味を持つ重要な建物です。元々は丈六殿という名だったこの殿は、粛宗によって名付けられたと伝えられています。また、丈六殿の再建を望む老婆が粛宗の王女に生まれ変わるという伝説も残されています。

さらに、「霊山会掛仏幀」という貴重な文化財も存在し、これらの財産は華厳寺の歴史と信仰の深さを物語っています。これらの文化財は、今なお訪れる人々に深い感動を与え、韓国の仏教文化の象徴的な存在としての役割を果たしています。

まとめ

華厳寺は、その豊かな歴史と文化的な価値により、多くの訪問者に愛されています。仏教の精神を感じながら、訪れることで自然や歴史を体感できる場所と言えるでしょう。国の重要文化財としても指定されている華厳寺は、今も多くの人々にとって聖地であり続けています。

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