華徳院 (杉並区)

華徳院の歴史と概要

華徳院（けとくいん）は、東京都杉並区に位置する天台宗に属する寺院です。この寺院は9世紀に慈覚大師円仁によって開かれ、その名は古くから伝わっています。初めは下野国佐野にあった「理正院」という名称で知られていましたが、歴史を経て複数の場所に移転し、最終的には現在の位置に落ち着きました。

開山と移転の歴史

華徳院の成立は、慈覚大師円仁が9世紀初頭に理正院を設立したところから始まります。その後、寺院は武蔵国霞ヶ関（現在の東京都千代田区）へ移され、さらに慶長年間の1596年から1615年の間に浅草蔵前天王町（現・台東区浅草橋）にまた移転しました。

1744年から1747年にかけて、現在の「華徳院」という名称に改称されました。この名称は、越後安田藩（村松藩）の初代藩主堀直時の戒名に由来しています。名称変更とともに、寺院の本尊も閻魔大王に変更されました。このことにより、華徳院はかつて存在した太宗寺や善養寺と並ぶ「江戸三閻魔」として知られ、多くの参拝者が訪れる場所となりました。

大震災とその後の移転

しかし、1923年に発生した関東大震災によって華徳院は焼失してしまいました。1928年には新たな場所、現在の杉並区に移転され、ここで寺院は再建されました。ここでは、以前牛込に存在した行元寺から持ち寄られた閻魔大王像が本尊として迎えられ、また、以前の浅草の旧所在地にも堂宇が建てられ、輪王寺から閻魔大王像が祀られるようになりました。

空襲があった1945年には、浅草にあった堂宇が再び焼失しましたが、閻魔大王像は無事でした。それによって、この像は現在、華徳院に保管されています。

著名な墓所

華徳院には、越後安田藩初代藩主である堀直時をはじめ、日本画家の望月金鳳などの著名人が眠っています。歴史的意義のある存在として、多くの人々に訪れられています。

交通アクセス

訪れる際には、地下鉄丸ノ内線の新高円寺駅から徒歩4分というアクセスの良さがあります。また、高円寺駅や中野駅からは関東バスや京王バスに乗車し、「大法寺前」で下車することができます。

まとめ

華徳院は、歴史的な背景を持つ寺院であり、閻魔大王を本尊として崇敬されています。多くの人が集い、信仰の場としての役割を果たし続けています。また、その歴史は江戸時代に遡り、さまざまな人とのつながりを持ちながら、現代に至っています。

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