厚狭毛利家

厚狭毛利家：長州藩を支えた一門家老の歴史

厚狭毛利家は、江戸時代に長州藩（萩藩）を支えた一門家老の一つで、四本松毛利家とも呼ばれていました。その歴史は、毛利元就の五男である毛利元秋、そして八男である末次元康に遡ります。

厚狭毛利家の成立

関ヶ原の戦いの後、末次元康は長門国厚狭郡（現在の山口県山陽小野田市）に1万500石を与えられ、これが厚狭毛利家の始まりとなりました。元康の後を継いだ元宣は、厚狭郡末益村（現在の山陽小野田市）と厚東郡船木村（現在の宇部市）を与えられ、末益村の郡に居館を構えました。この居館が厚狭毛利氏館（または郡毛利氏館）と呼ばれ、厚狭毛利氏の名の由来となりました。現在、居館跡には井戸と石垣の一部がわずかに残されています。

萩屋敷

厚狭毛利家は、萩城二の丸南門の近く（現在の萩市堀内）に、約1万5500平方メートルにも及ぶ広大な萩屋敷を構えていました。この萩屋敷があった通りには4本の松があったことから、四本松毛利家の名が生まれました。現在、萩屋敷には長屋の一部が現存しており、旧厚狭毛利家萩屋敷長屋として国の重要文化財に指定されています。

文化への貢献

享和2年（1802年）には、9代当主である毛利房晁が郷校朝陽館を創立し、地域の人材育成に貢献しました。

菩提寺：洞玄寺

厚狭毛利家の菩提寺は、洞玄寺（現在の山陽小野田市郡西下津一）にあります。境内には一族の墓所があり、墓碑は山陽小野田市の指定文化財となっています。洞玄寺には、一族14代（12代四一の子2人が太平洋戦争で戦没したため、直系は途絶えています）までの五輪塔などが残されており、厚狭毛利家の歴史を今に伝えています。

厚狭毛利家当主一覧

1. 毛利元秋
2. 末次元康
3. 毛利元宣
4. 毛利元勝
5. 毛利就久
6. 毛利元連
7. 毛利就盈
8. 毛利就宣
9. 毛利房晁
10. 毛利元美
11. 毛利英之輔
12. 毛利四一

厚狭毛利家は、その成立から幕末、そして近代に至るまで、長州藩、そして日本の歴史に深く関わってきました。その足跡は、山陽小野田市や萩市に残る史跡を通して、今も私たちに語りかけています。

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