著作権マーク

著作権マーク©：歴史と法的根拠

著作権マーク©（コピーライトマーク）は、円の中に大文字のCを配置した記号で、著作権表示に使用されます。音声以外の作品に適用され、その使用はアメリカ合衆国の著作権法や国際条約（万国著作権条約）に根拠を持ちます。しかし、ベルヌ条約の無方式主義（作品創作時に自動的に著作権が発生）により、多くの国ではマークの明示は必須ではありません。

歴史

作品に著作権を示す記号の起源は、1670年代のスコットランドの年鑑に見られる紋章にまで遡ります。これは作品真正性の証明を目的としていました。

アメリカ合衆国における著作権表示の変遷

アメリカ合衆国では、1802年の著作権法で初めて著作権表示が規定されました。当初は、長文の記載が義務付けられていましたが、1874年には簡略化され、1909年の著作権法で©マークが導入されました。当初は絵画・彫刻などに限定されていましたが、1954年には全ての著作物に拡大されました。

1909年法制定の過程では、作品への「copyright」記載義務をめぐり議論が交わされました。芸術家側は作品への余分な記載を望まず、結果として目立ちにくい©マークの使用が認められました。1946年には合衆国法典第17号に組み込まれ、1954年の改正で全ての著作物に©マークが使用可能となりました。

ベルヌ条約と無方式主義

1886年のベルヌ条約（1908年改正）は、作品創作時に自動的に著作権が発生する無方式主義を採用しました。アメリカ合衆国は当初方式主義をとっていましたが、1989年にベルヌ条約に加盟し、無方式主義に移行しました。万国著作権条約では、無方式主義の国における著作物についても、氏名、初版年、©マークの表示で著作権保護を認めています。現在では、多くの国がベルヌ条約に加盟しており、著作権表示は著作権の発生要件としては必須ではありません。

アメリカ合衆国における著作権表示

1989年3月1日以前のアメリカ合衆国では、©マークまたは「Copyright」と初版年、著作権者名を明記する必要がありました。例：「© 2011 John Smith」。ベルヌ条約加盟後は不要となりましたが、万国著作権条約適用のため©マークの使用は推奨されています。なお、著作権表示は、善意の侵害者に対する法的保護において一定の効果を持ちます。

デジタル表現

初期のタイプライターやASCIIシステムでは©マークの表示が困難だったため、(C)と表記されることが一般的でした。UnicodeではU+00A9 ©として規定され、他の代替コードも存在します。Windows、Macintosh、Linuxなど、OSごとに異なる入力方法があります。

関連記号

コピーレフトマーク：著作権マークを反転させた記号。法的な意味はない。
レコード著作権マーク℗：音声記録の著作権表示に使用。
登録商標マーク®：登録商標の表示に使用。

参考文献

半田正夫、紋谷暢男『著作権のノウハウ』（第3版増補版）有斐閣、1989年
安藤和宏『よくわかる音楽著作権ビジネス 基礎編』（5th Edition）リットーミュージック、2018年

関連項目

著作権
著作権表示
著作権の形式的手続
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丸囲みC
囲み英数字
コピーレフト

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