蒙化府

蒙化府（もうかふ）

蒙化府は、中国にかつて存在した行政区画であり、現在の雲南省巍山イ族回族自治県一帯に位置していました。その歴史は唐代に遡り、元代から清代にかけて行政区画の名称や管轄が変遷しました。

歴史

唐代:
蒙化府の前身は、唐代に蒙舎城に置かれた陽瓜州です。

大理国時代:
大理国時代には、蒙舎鎮と呼ばれていました。

モンゴル帝国時代:
1257年（憲宗7年）には、モンゴル帝国によって蒙舎城に千戸が設置されました。

元代:
1274年（至元11年）には、元によって蒙舎城に蒙化府が置かれました。この時、正式に府としての歴史が始まりました。
1277年（至元14年）には、蒙化府は蒙化路に昇格しました。これは行政区画としての重要度が増したことを示しています。
1283年（至元20年）には、蒙化路は蒙化州に降格し、大理路に属することになりました。この降格は、管轄範囲や行政的な役割が変化したことを示唆しています。

明代:
1448年（正統13年）、明により蒙化州は蒙化府に再び昇格しました。この昇格は、地域の重要性が再び認識されたことを意味します。蒙化府は雲南省に属し、左氏が土司として知府を世襲しました。土司制度は、地方の有力者を任命し、その地方を統治させる制度です。

清代:
1665年（康熙4年）には、清の改土帰流政策により、流官による統治が始まりました。これは中央政府が地方の統治を直接行うように変更されたことを意味します。
1770年（乾隆35年）、蒙化府は蒙化直隷庁と改められました。この変更は行政組織の再編を示しています。直隷庁は、府よりも中央政府の直轄に近い行政区画でした。

中華民国時代:
* 1912年、中華民国成立により、蒙化直隷庁は廃止され、蒙化県と改められました。この変更は、中華民国における行政区画の再編の一環でした。

まとめ

蒙化府は、その歴史の中で、唐、大理国、モンゴル帝国、元、明、清、中華民国と様々な時代の影響を受け、行政区画の名称や管轄が変化しました。その変遷は、中国の歴史における地方行政の変遷を反映しています。特に、土司制度から流官統治への移行は、中央集権化の進展を示す重要な出来事でした。最終的には県となり、現代の行政区画へと繋がっています。

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