蓼科温泉郷

蓼科温泉郷

蓼科温泉郷は、長野県茅野市、北八ヶ岳の麓に広がる温泉地です。標高1200mから1500mの間に位置し、滝ノ湯川に沿って温泉地が点在しています。各温泉地はそれぞれ異なる泉質を持ち、多様な湯めぐりを楽しめるのが魅力です。

泉質

蓼科温泉郷の泉質は多岐にわたります。

単純温泉：肌にやさしい泉質で、湯治にも適しています。
単純酸性泉：殺菌効果があり、皮膚病などに効果が期待できます。
ナトリウムー炭酸水素塩泉：美肌効果があると言われています。

その他にも、各温泉地によって異なる泉質の温泉が湧出しています。

蓼科温泉郷の各温泉

蓼科親湯温泉
滝ノ湯川沿いに佇む一軒宿。大正15年創業の歴史ある温泉です。
泉質：単純温泉
滝の湯温泉
滝ノ湯川沿いにある「蓼科グランドホテル滝の湯」で入浴できます。創業は大正12年。
泉質：ナトリウム-炭酸水素塩泉、単純温泉
蓼科三室温泉
蓼科湖畔の別荘地の一角に位置し、宿泊施設のほか日帰り温泉「小斉の湯」があります。珍しいことに、当地はユーラシアプレート、フィリピン海プレート、北アメリカプレートの境界線上にあります。
泉質：ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉（弱酸性低張性高温泉）
一号井
東急リゾートタウン蓼科内に湧出し、同タウン内の「鹿山の湯」で使用されています。平成11年オープン。
泉質：単純温泉
芹ケ沢温泉
信玄の隠し湯とも伝えられています。現在は温泉スタンドのみで、近隣ホテルや遠方の施設でも利用されています。
泉質：単純温泉
湯川温泉
北山湯川地区に位置し、河童伝説が残る日帰り入浴施設「河童の湯」があります。
泉質：単純温泉
米沢温泉
米沢地区にある鉱泉で、市営日帰り入浴施設「塩壺の湯」が2006年にオープンしました。
泉質：ナトリウム－炭酸水素塩・硫酸塩・塩化物冷鉱泉
尖石温泉
詳細は尖石温泉)を参照してください。

歴史

蓼科温泉郷の開湯時期には諸説あります。平安時代の坂上田村麻呂発見説や、武田信玄による開削時に湧出したという説などが伝えられています。江戸時代には高島藩が所有し、湯請人に運営を委託していました。明治時代以降は地元住民が県から借り受ける形で営業を行いました。

交通の便が悪かった時代には、近隣住民の湯治場として利用されていましたが、小説家の伊藤左千夫や日本画家の平福百穂らが蓼科高原を紹介したことをきっかけに、中部地方から関東地方まで知られるようになりました。

その後、茅野駅と各温泉を結ぶ乗合馬車や自動車の運行が始まり、交通の便が向上するとともに、湯治客や避暑客が増加しました。大正時代から盛んになった八ヶ岳登山者の登山基地としても利用されるようになりました。

アクセス

公共交通機関
JR茅野駅から諏訪バス北八ヶ岳ロープウェイ行きで30分、「プール平」バス停下車。
自動車
中央自動車道諏訪ICから国道20号・国道152号、ビーナスライン経由17km。

蓼科温泉郷は、豊かな自然に囲まれた、歴史と文化が薫る温泉地です。ぜひ一度、訪れてみてください。

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