諏訪バス

諏訪バス（アルピコ交通）

諏訪バスは、アルピコ交通が長野県諏訪地域を中心に展開するバス事業の通称です。この名称は、かつて存在した「諏訪バス株式会社」が地域住民に親しまれていたことに由来します。本記事では、その前身である諏訪バス株式会社の歴史と、現在のアルピコ交通中南信支社茅野営業所のバス路線について詳しく解説します。

沿革

旧会社情報

諏訪バス株式会社は、2011年3月まで長野県諏訪地域を主な事業範囲としていた、アルピコグループのバス事業者です。2011年4月1日、アルピコグループの交通部門再編により、川中島バスと共に親会社の松本電気鉄道に吸収合併され、アルピコ交通となりました。しかし、長年にわたり地域に根付いた愛着から、旧社名である「諏訪バス」は現在も通称として使用されています。

年表

1919年（大正8年）7月3日：諏訪自動車株式会社設立。
1941年（昭和16年）7月：諏訪地区一円を事業エリアとする。
1963年（昭和38年）12月：松本電気鉄道株式会社の子会社となる。
1981年（昭和56年）5月：諏訪バス株式会社へ社名変更。
1984年（昭和59年）12月：中央高速バス飯田線（飯田 - 新宿間）運行開始。
1986年（昭和61年）11月：中央高速バス茅野線（中央道茅野 - 新宿間）運行開始。
1987年（昭和62年）7月：中央高速バス諏訪岡谷線（上諏訪・岡谷 - 新宿間）運行開始。
1988年（昭和63年）9月：みすずハイウェイバス運行開始。
1989年（平成元年）
7月：中央自動車道経由で茅野 - 名古屋間高速バス運行開始（1997年4月廃止）。
12月：中央自動車道経由で茅野 - 大阪間高速バス運行開始。
1993年（平成5年）3月：長野自動車道経由で富士見・茅野 - 長野間高速バス運行開始（1996年廃止）。
1999年（平成11年）
8月：茅野市福祉バス運行開始。
9月：諏訪市内循環バス「かりんちゃんバス」運行開始。
2000年（平成12年）7月：岡谷市民バス「シルキーバス」運行開始。
2004年（平成16年）7月：岡谷諏訪湖循環路線バス「スワンバス」運行開始。
2007年（平成19年）12月：アルピコグループの他18社とともに、メインバンクの八十二銀行に対し、私的整理ガイドラインに則った再生支援を要請。
2011年（平成23年）4月1日：川中島バスとともに松本電気鉄道に吸収合併、アルピコ交通となる。
2021年（令和3年）
10月1日～2022年2月27日：アルピコタクシー株式会社・ちの観光まちづくり推進機構(DMO)と連携し、観光庁の『既存観光拠点再生・高付加価値化推進事業』の一環で、白樺湖、蓼科湖の両エリアで路線バスとタクシーをシームレスに乗継げる実証運行事業「白樺湖エリア・蓼科湖エリアにおけるシームレス乗継実証運行」を実施。
12月1日：スマホ乗車券（バスもり！）を岡谷・茅野線に導入。
2022年（令和4年）
4月1日：茅野市通学・通勤バスを3路線から5路線に拡大。
10月1日：茅野市地域公共交通AI乗合オンデマンド交通 「のらざあ」運行開始に伴い、茅野市内の路線バス13路線を廃止。
10月24日：観光路線4路線でダイヤ改正と運賃改定を実施。茅野駅～観光地エリア区間内は直行運行に変更。
2023年（令和5年）6月8日：スマホ乗車券（バスもり！）の導入路線を拡大。

高速バス路線

運行中

中央高速バス系統
岡谷・諏訪・茅野⇔新宿（中央高速バス諏訪岡谷線）：アルピコ交通東京営業所・京王バス・フジエクスプレス・山梨交通・ジェイアールバス関東と共同運行。
飯田⇔新宿（中央高速バス飯田線）：京王バス・伊那バス・信南交通と共同運行。
岡谷・諏訪 - 大阪線（アルペン諏訪号）：大阪府大阪市と長野県茅野市を結ぶ路線。昼行1往復、夜行1往復の計2往復。予約受付は阪急バス。
新宿 - 美濃戸口・北八ヶ岳RW・車山高原線（蓼科・八ヶ岳Snow Magic号）
冬季限定路線。新宿駅西口と美濃戸口・北八ヶ岳ロープウェイ・車山高原を結ぶ。下り夜行便、上り昼行便の1往復。

過去に運行

中央道高速バス系統
茅野 - 名古屋線（中央自動車道経由）：1989年7月21日～1997年10月1日。
みすずハイウェイバス
富士見・茅野 - 長野線（長野自動車道経由）。
長野⇔飯田線：2010年11月30日をもって共同運行から撤退。
中部国際空港線
茅野・諏訪・岡谷 - 中部国際空港線（中央自動車道経由）。

一般路線

各市町村のコミュニティバスを除く一般路線は以下の通りです。

路線一覧

岡谷 - 下諏訪 - 上諏訪 - 茅野線
岡谷駅から国道20号を経由し、下諏訪、上諏訪、茅野を結ぶ路線。JR各駅の最寄停留所は岡谷駅、下諏訪大社通り四つ角、上諏訪駅霧ヶ峰口、茅野駅。
有賀・上社統合路線
赤羽根車庫および上諏訪駅から有賀、湖南、大熊、中州地区を経由する路線。諏訪大社上社本宮への最寄りは「上社」バス停。
諏訪上野・後山線
有賀から有賀峠を越え、豊田地区の諏訪上野、湖南地区の青木沢・後山まで運行する路線。2016年10月より運行休止。
茅野 - 青柳 - 御狩野公民館線
茅野駅から国道20号を南下し、坂室、木舟、矢ノ口、青柳を経て御狩野へ至る路線。
茅野 - 山田上線
アルピコタクシー茅野が運行。
茅野 - 丸山線
茅野駅から茅野市宮川地区東部、原村へ向かう路線。茅野バス観光が運行。
市街地循環バス
茅野駅近隣を循環する路線。
茅野駅 - 理科大線
茅野駅から諏訪東京理科大へ向かう路線。
茅野駅 - 八ヶ岳小さな絵本美術館 - 美濃戸口線
茅野駅から美濃戸口方面へ向かう路線。土日祝日、7月27日から8月25日のみ運行。
茅野駅 - 奥蓼科線、茅野駅 - 渋の湯線
茅野駅から尖石縄文考古館、渋の湯方面へ向かう路線。
茅野駅 - 北八ヶ岳ロープウェイ線
茅野駅から蓼科湖、北八ヶ岳ロープウェイ方面へ向かう路線。
メルヘン街道バス
茅野駅から横谷峡、麦草峠方面へ向かう路線。
蓼科高原ラウンドバス
茅野駅と蓼科高原を結ぶ路線。
茅野駅 - 白樺湖 - 車山高原 - 霧ヶ峰 - 上諏訪駅線
茅野駅から白樺湖、車山高原、霧ヶ峰を経て上諏訪駅へ向かう路線。
白樺湖 - 霧ヶ峰 - 八島湿原線
白樺湖から霧ヶ峰、八島湿原方面を結ぶ路線。
茅野駅 - 堀 - インターチェンジ - 湯川 - 柏原 - 白樺湖 - 車山高原線
茅野駅から白樺湖、車山高原方面へ向かう路線。

車庫・営業所

茅野営業所（本店）：長野県茅野市ちの3419-6。白樺湖・霧ヶ峰・蓼科高原・車山高原方面の路線バス、スワンバス、かりんちゃんバス、ビーナちゃんバス、高速バス全線を担当。
岡谷（神明）車庫：長野県岡谷市神明町。2017年9月30日をもって廃止。現在はアルピコタクシー諏訪支店岡谷営業所が待機所・宿泊所として利用。
赤羽根車庫：長野県諏訪市赤羽根。現在は待機所。

その他

乗降方法：前乗り前降り。中扉は除雪用具置き場のため、車椅子での乗降は不可。
各種乗車券：蓼科高原ラウンドバス1日券・2日券、蓼科・白樺湖・霧ヶ峰フリークーポンなど。
車両：いすゞ、三菱、日野の3メーカーが在籍。都市部からの移籍車両や、松本本社、長野支社で使用されていた車両で代替を行う。

車両称号

グループ番号、年式、車種、号車番号で構成されています。詳細は本文参照。

ナンバープレート

2005年までは松本ナンバー、2006年からは諏訪ナンバーを使用しています。

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