蔚山級フリゲート

蔚山級フリゲートについて

蔚山級フリゲート（ウルサンきゅうフリゲート）は、大韓民国海軍に所属する艦級であり、その設計はHDF-2000型が基にしています。この艦級は韓国型護衛艦（FFK）計画の一環として、9隻が建造されました。

来歴

大韓民国海軍の開始当初、その運用海域は沿岸部に限られ、1951年時点では外洋作戦艦が不足していました。当時、保有していたのは豆満級フリゲート（PF）のみであり、朝鮮戦争を経て、哨戒艦艇や揚陸艦の強化が図られました。それに続き水上戦闘艦の増強が進み、アメリカ海軍から退役した護衛駆逐艦（DE）や艦隊駆逐艦（DD）が導入されました。

1970年代には政府政策の下、「自己完結型の国防力整備を目指した8ヶ年計画」が策定され、海軍における国内艦艇の建設が促進されました。1975年、当時の朴正煕大統領は韓国国産の水上戦闘艦建造を指示し、当時は高速戦闘艇の国内建造は行われていましたが、水上戦闘艦に関しては設計経験がほとんどありませんでした。1976年末には、現代重工業との契約により「1800トン級駆逐艦基本設計」が進められ、この計画は後に護衛艦へと変更されました。

設計

蔚山級フリゲートの船体は平甲板型で、比較的乾舷が低い設計になっています。艦の上部構造は4層から成り、その一部にはアルミニウム合金が使用されていますが、復原性の確保のために後に固定バラストが追加されることとなりました。初めての海上試験では艦の安全性に対して疑問が提示され、艦長が外国人技術者を艦内に案内する隙に出港した逸話もあります。

主機関にはドイツ製のMTUディーゼルエンジンと、アメリカ製のガスタービンエンジンの2基が組み合わされたCODOG方式が採用され、駆動力を供給しています。

装備

電装

艦橋構造物後部には他の艦と比較しても目立つ塔状の前檣があり、レーダーやソナー装備が配置されています。初期の薫化装置はシグナール社製のXバンド・レーダーでしたが、後期型ではマルコーニ社製へと更新されています。また、ソナーは当初はシグナール製だったものがレイセオンのものに換装されています。

兵装

主砲には76mmコンパット砲が艦尾甲板と前端に1基ずつ装備されています。また、中口径機銃として初期にはエリコン製の機関砲が、後期型ではより強力な40mm機関砲に変更されました。艦対艦ミサイルとしてはハープーンが搭載され、これによって戦力が強化されています。

運用史と事故

蔚山級フリゲートはその後も様々な運用を重ねてきましたが、訓練中に発生した事故も報告されています。その一例が2018年に発生した訓練中の爆発事故であり、艦の安全管理の重要性が再認識されました。

輸出

バングラデシュ海軍は蔚山級の改良型を導入し、一度就役後に改修を行うこととなりました。このように、蔚山級は韓国海軍の重要な艦級として運用されています。

このように、蔚山級フリゲートは大韓民国海軍において重要な役割を果たしており、その多様な設計の背景や運用歴からも、多くの興味深いエピソードが存在しています。

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