蕭巋

蕭巋（しょう き）、南朝後梁の第2代皇帝

蕭巋（しょう き）は、南朝後梁にて第2代の皇帝として君臨し、明皇帝の称号を享有しました。彼は大定8年（562年）に、父である宣帝の死去に伴い、皇位を継承しました。この時代の後梁は、北周に影響を受けた傀儡政権と見なされており、東方の南朝陳と対抗すべく、緊張した政治的状況に置かれていました。

軍事的同盟と親密な関係

天保16年（577年）、北周が北斉を滅ぼすと、蕭巋は長安に赴き、北周の皇帝である武帝に祝辞を述べました。この2人はほぼ同年齢であり、感情的な結びつきを感じる瞬間ともなりました。武帝は蕭巋の優れた礼儀と振る舞いに心を打たれ、蕭巋は北周創立以来の恩義を語り、涙を流す場面があったと言われています。

その際、蕭巋が後梁に帰る際には、武帝自らが琵琶を奏でて盛大に見送ってくれました。こうした親密な関係により、蕭巋は傀儡政権の皇帝という不安定な立場から、北周との友好的な関係を築くことに成功しました。その結果、北周は後梁の都・江陵に駐在していた軍を引き上げ、後梁の自治が回復されました。

隋との友好関係

時間が経つにつれて、宗主国の地位は北周から隋に移行しましたが、蕭巋の親密な関係は続きました。再び長安を訪れた際には、隋の文帝楊堅が蕭巋の手を取り、「必ず梁の旧地を取り戻し、あなたを助ける」と約束したと伝わっています。さらに、蕭巋の娘が楊堅の次男・楊広（後の煬帝）に嫁いでおり、楊広が皇帝に即位した際には、彼女は皇后として迎えられました（煬愍蕭皇后）。

文化の栄華

蕭巋の治世は、平穏な政治状況の下で南朝後梁の文化が開花した重要な時期でもありました。江陵では、梁王朝から受け継いだ独自の文化が生かされ、様々な文化的成果が生まれました。同時に、蕭巋自身も優れた学識を有しており、著作として『孝経』や『周易義記』、さらには『大小乗幽微』などを残しました。

最期

蕭巋は天保24年（585年）に死去し、その後は息子である蕭琮が帝位を引き継ぎました。

家族構成

蕭巋の家庭に目を向けると、彼の皇后は張皇后（張纘の娘）であり、彼には多くの子供がいます。男子としては蕭琮をはじめ、蕭瓛、蕭瑑、蕭璟、蕭珣、蕭瑒、蕭瑀がいます。また、女子の中には隋煬愍皇后が含まれています。蕭巋の家庭もまた、政治的な結びつきを強化する重要な役割を果たしていました。

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