蕭敬文

蕭敬文（しょう けいぶん、生年不詳 - 352年）は、東晋時代の将軍であり、その生涯は短いながらも激動に満ちたものでした。

桓温による成漢征伐に参加

永和2年（346年）、蕭敬文は荊州刺史であった桓温の成漢征伐に随行しました。この遠征における具体的な役割や功績は明らかではありませんが、時期は不明であるものの、彼は後に振威護軍・征西督護という重要な地位に任じられています。

益州での自立と反乱

永和3年（347年）12月、蕭敬文は桓温が荊州へ帰還した隙を突き、東晋に対して反旗を翻しました。まず、征虜将軍であった楊謙を殺害し、続いて涪城を攻め落としました。そして、自ら益州牧を自称し、巴西を占拠するとともに、漢中へと進出しました。この動きに対し、桓温は督護の鄧遐と益州刺史の周撫に討伐を命じましたが、彼らは蕭敬文の軍勢を破ることができず、撤退を余儀なくされました。

鎮圧と最期

永和8年（352年）2月、事態を重く見た桓温は、梁州刺史の司馬勲を派遣し、周撫らを援護させ、蕭敬文討伐を命じました。司馬勲らの軍勢が涪城に迫ると、蕭敬文は城を固守して抵抗しました。しかし、同年8月、涪城はついに陥落し、蕭敬文は捕らえられ処刑されました。彼の首は建康へと送られ、その反乱は終焉を迎えました。

蕭敬文の反乱は、東晋の地方支配の不安定さを示す一例として、歴史に名を残しています。彼の短いながらも波乱に満ちた生涯は、当時の政治情勢や社会の動向を反映するものとして、注目に値します。

参考文献
『晋書』巻58 列伝第28
『資治通鑑』巻97 - 巻99

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