薛初古抜

薛初古抜（せつ しょこばつ）

薛初古抜（せつ しょこばつ、427年 - 484年）は、北魏の軍人です。またの名を車輅抜（しゃれつばつ）といい、もとの名は洪祚（こうそ）でした。本貫は河東郡汾陰県にあります。

生涯

薛初古抜は、薛謹（せつきん）の長男として生まれました。太武帝（たいぶてい）により初古抜の名を賜りました。445年（太平真君6年）、盧水胡（ろすいこ）の蓋呉（がいご）が関中で反乱を起こし、薛永宗（せつえいそう）が汾水のほとりに拠って蓋呉と結びました。翌年、太武帝が親征して薛永宗を包囲すると、初古抜は郷里の兵を集めて蓋呉と薛永宗の間の連絡を遮断しました。この功績により、反乱が鎮圧されると、初古抜は中散（ちゅうさん）の位を受け、永康侯（えいこうこう）の爵位を受けました。

450年（太平真君11年）、太武帝が南朝宋（なんちょうそう）に対して親征すると、初古抜は従軍して都将（としょう）となりました。翌年には、長江の線まで進軍して帰還しました。

462年（和平3年）、陸真（りくしん）とともに氐（てい）の仇傉檀（きゅうじょくだん）・強免生（きょうめんせい）らを討ちました。

469年（皇興3年）、散騎常侍（さんきじょうじ）の位を受け、西河長公主（せいかちょうこうしゅ）を妻に迎え、駙馬都尉（ふばとい）となりました。この年、族叔（ぞくしゅく）で南朝宋の徐州刺史（じょしゅうしし）の薛安都（せつあんと）が北魏に帰順すると、初古抜は彭城（ほうじょう）におもむいて薛安都を迎えました。その後、冠軍将軍（かんぐんしょうぐん）・南豫州刺史（なんよしゅうしし）に任じられました。

472年（延興2年）、鎮西大将軍（ちんせいだいしょうぐん）・開府（かいふ）の位を受け、爵位は平陽公（へいようこう）に進みました。482年（太和6年）には、河東公（かとうこう）に改封されました。

484年（太和8年）3月、突然の病のために死去しました。享年は58。左光禄大夫（さこうろくたいふ）の位を追贈され、諡は康（こう）と贈られました。

子女

薛胤（せついん）
薛崇業（せつそうぎょう）：字は崇業（すうぎょう）。広平王元懐（こうへいおう げんかい）の郎中令（ろうちゅうれい）、汝陰郡太守（じょいんぐんたいしゅ）

伝記資料

『魏書』巻42 列伝第30
『北史』巻36 列伝第24

もう一度検索