元懐

元懐（げん かい、488年 - 517年）は、北魏の皇族。広平王。字は宣義。孝武帝の父。

生涯

孝文帝と高貴人（文昭皇后）のあいだの次男として生まれました。497年（太和21年）8月、広平王に封じられました。宣武帝により華林別館に軟禁され、四門博士の董徴に経伝の講義を受けました。司州牧に任じられます。

512年（延昌元年）1月、驃騎大将軍・儀同三司の位を受けました。515年（延昌4年）1月、宣武帝が死去すると、軟禁を解かれました。2月、司空に上りました。8月、太保・司徒公となりました。

517年（熙平2年）3月26日に死去しました。諡は文穆といいました。533年（永熙2年）1月、孝武帝により武穆皇帝の諡号を贈られ追尊されました。

人物

元懐は、幼少の頃から学問に励み、経典に通じていました。しかし、皇位継承争いに巻き込まれ、宣武帝によって軟禁されるなど、不遇な時代を過ごしました。宣武帝の死後、政界に復帰し、司空、太保、司徒公などの要職を歴任しました。死後、孝武帝によって武穆皇帝として追尊され、その功績が讃えられました。

家族

妻妾

正室：馮氏（武穆皇后と追号された）
側室：李氏（皇太妃を追贈された）

男子

范陽王 元誨
広平王 元悌
孝武帝 元脩

女子

馮翊公主（宇文泰の妻、北周孝閔帝宇文覚の生母）
華陽公主 元季艶（高琛の妻）
平陽公主（鄭儼の子の鄭文寛の妻）

史料

『魏書』巻22 列伝第10
『北史』巻19 列伝第7
* 魏故侍中太保領司徒公広平王墓誌（元懐墓誌）

元懐は、北魏の皇族として生まれ、激動の時代を生き抜きました。彼の生涯は、政治的な陰謀や争いに翻弄されながらも、学問への情熱を持ち続け、高位を極めた人物として、後世に語り継がれています。

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