藤原友人

藤原友人について

藤原友人（ふじわら の ともひと）は、平安時代初期を生きた貴族で、藤原南家の乙麻呂流に属し、右大臣・藤原是公の子として知られています。彼は、従四位下、相模守といった官位を持ち、政治活動において重要な役割を果たしていました。

経歴

友人の官歴は波乱に富んでいます。まず、従五位下に叙爵された後、延暦24年（805年）には播磨権介に任命され、次第に出世を遂げていきました。翌年には播磨介に昇格し、順調なキャリアが期待されました。

しかし、大同2年（807年）に起きた伊予親王の変により、彼は兄の藤原雄友と共に連座し、下野守に左遷されるという厳しい事態に見舞われました。この事件は藤原家にとっても大きな打撃であり、友人も失脚を余儀なくされたのです。

その後の嵯峨朝では赦され、入京を果たします。弘仁元年（810年）には兵部少輔に任じられ、官界への復帰を果たしました。ところが翌年には讃岐守へ異動し、引き続き昇進を続けました。

弘仁7年（816年）には従五位上に昇進、弘仁10年（819年）には正五位下に至り、嵯峨朝の末期には最高位の従四位下に昇りつめました。彼の生涯は、政治的な浮き沈みを克服しつつも、最終的には相模守として過ごしましたが、弘仁13年（822年）8月16日に病により亡くなりました。享年は56歳でした。

人物像

友人は小柄な体格をしており、礼儀に厳格ではなかったと言われています。また、仙道に関心を寄せていたものの、空を飛ぶことは叶わなかったと伝えられています。このような特徴から、彼の人柄は高貴でありながらも、どこか独特の個性を持っていたことが伺えます。

官歴

藤原友人の官歴は、『日本後紀』に詳細な記録が残されており、彼がどのような昇進を遂げたかを知る手がかりとなります。

• - 時期不詳：従五位下
• - 延暦24年（805年）12月15日：播磨権介
• - 延暦25年（806年）正月28日：播磨介
• - 大同2年（807年）9月：下野守
• - 弘仁元年（810年）9月16日：兵部少輔
• - 弘仁2年（811年）5月14日：讃岐守
• - 弘仁7年（816年）正月7日：従五位上
• - 弘仁10年（819年）正月7日：正五位下
• - 時期不詳：従四位下、相模守
• - 弘仁13年（822年）8月16日：卒去（相模守従四位下）

家族

藤原友人は藤原是公を父に持ち、母については記録が残されていません。子供には藤原息道や藤原良道などの男子がいて、彼の血筋を受け継いでいます。このように、藤原家の一員としてもその名を刻むこととなった友人の生涯は、平安時代の貴族社会の中での一つの象徴となっています。

出典

1. 森田悌『日本後紀（中）』講談社〈講談社学術文庫〉、2006年
2. 森田悌『日本後紀（下）』講談社〈講談社学術文庫〉、2007年
3. 『尊卑分脈 第二篇』吉川弘文館、1987年

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