藤原雄友

藤原 雄友（ふじわら の おとも）の歴史

概要

藤原雄友は奈良時代の終わりから平安時代の初期にかけて、公卿としてその名を馳せた人物です。藤原南家に生まれ、父は右大臣の藤原是公です。彼の官位は正三位・大納言にまで昇進しています。

経歴

彼の公務員としてのキャリアは、延暦2年（783年）の美作守の任命から始まります。その後、急速に昇進し、延暦6年（787年）に従四位下に達しました。兄の真友を凌ぐ成績で、延暦年間の前半において大きな飛躍を見せたのです。特に延暦9年（790年）には38歳という若さで参議に任命され、公卿の仲間入りを果たしました。

その後の彼の人生は、さまざまな政治的ポジションを歴任することで彩られています。大蔵卿や中衛大将、さらには大宰帥など、要職を担い続けました。延暦17年（798年）に従三位に昇進し、延暦23年（804年）には正三位に達します。延暦25年（806年）には平城天皇の即位を受けて、大納言に昇進しました。

しかし、平城天皇の死後、彼の昇進は思わぬ障害に遭遇します。藤原内麻呂とともに大納言に任命されましたが、政治的な背景から内麻呂の方が重宝され、雄友は次第に影を潜めることになります。その後、大同2年（806年）、彼は伊予親王に対する陰謀を報告したものの、内麻呂の無関心から大変な事態を招きます。結果的に雄友は連座して伊予国へ流罪になってしまいました。

政治的波乱

嵯峨朝に入ると、彼は不運を乗り越え、弘仁元年（810年）に罪を赦されて官位を復帰します。宮内卿に任命されましたが、享年59で急逝しました。彼の最終的な官位は宮内卿正三位であり、没後には大納言の官職を贈られました。

人物像

藤原雄友の性格は温和であり、喜怒を表に出すことは少なかったとされています。外見や振る舞いにも優れた点が見られ、特に発声は清々しく、賀正の儀における宣命の読み上げでは、推されて師匠役を務めるほどでした。

官歴

彼の官歴は以下の通りで、高位に昇進する過程が見て取れます。特に重要なのは、藤原内麻呂との並び立つ時期で、彼の政治的な道のりはさまざまな人間模様を生み出しました。

• - 延暦2年（783年）: 従五位下、美作守
• - 延暦4年（785年）: 兵部少輔、従五位上、左衛士権督
• - 延暦9年（790年）: 参議
• - 延暦17年（798年）: 従三位、中納言
• - 延暦25年（806年）: 大納言
• - 弘仁元年（810年）: 正三位（復位）、弾正尹

系譜

彼の家族背景には、母が橘麻通我（橘佐為の四女）という名家に属し、さらに妻や子供たちも名を残していることが挙げられます。特に長男の藤原真川は、彼の後を継ぐ重要な存在となります。妻の一人は石上宅嗣の娘で、彼の血筋に連なる者たちも多彩です。

結論

藤原雄友の政治家としての一生は、成功とともに波乱に満ちたものでした。彼のキャリアには数多くの教訓が隠されており、平安時代の政治状況を理解する上でも欠かせない人物と言えるでしょう。

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