藤原本雄

藤原本雄（ふじわら の もとお）

藤原本雄は、平安時代初期から前期にかけて生きた貴族です。名は「本緒」とも記されます。藤原式家、左大臣・藤原緒嗣を父に持ち、官位は従四位上・大和守に至りました。

経歴

藤原本雄は、淳和天皇の時代である天長8年（831年）に従五位下に叙爵されました。しかし、仁明天皇の時代には、嘉祥2年（849年）に大判事に任ぜられた記録があるのみで、昇進は見られませんでした。

文徳天皇の時代に入り、仁寿3年（853年）に22年ぶりの昇進を果たし、従五位上・刑部大輔に叙任されました。翌仁寿4年（854年）には伊勢権介を兼任します。天安2年（858年）2月には治部大輔に遷任し、同年8月に文徳天皇が崩御すると、前次第司次官を務めました。

清和天皇の時代には、貞観3年（861年）に大蔵大輔に任ぜられ、その後、貞観4年（862年）に正五位下・加賀守、貞観10年（868年）に従四位下・大和守に叙任されるなど、地方官を歴任しました。貞観18年（876年）3月28日に亡くなりました。最終官位は散位従四位上でした。

官歴

以下は、『六国史』に基づく藤原本雄の官歴です。

時期不詳：正六位上
天長8年（831年）正月4日：従五位下
嘉祥2年（849年）2月27日：大判事
仁寿3年（853年）正月7日：従五位上。7月21日：刑部大輔
仁寿4年（854年）7月21日：兼伊勢権介
天安2年（858年）閏2月13日：治部大輔。8月27日：前次第司次官（文徳天皇崩御）
貞観3年（861年）正月13日：大蔵大輔
貞観4年（862年）正月7日：正五位下。2月11日：加賀守
貞観9年（867年）正月12日：大和権守
貞観10年（868年）正月7日：従四位下。正月16日：大和守
貞観18年（876年）3月28日：卒去（散位従四位上）

藤原本雄は、平安時代初期の政治において、地方行政を中心に活躍した人物であったと言えるでしょう。

脚注

森田悌『続日本後紀 （下）』講談社〈講談社学術文庫〉、2010年
* 武田祐吉、佐藤謙三訳『読み下し 日本三代実録 上巻』戎光祥出版、2009年

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