藤原清成

藤原清成について

藤原清成（ふじわら の きよなり、霊亀2年（716年）？ - 宝亀8年（777年）？）は、奈良時代の日本における貴族であり、藤原式家の祖である藤原宇合の子息として知られています。清成は父の藤原宇合に次ぐ三男であったとされますが、生没年については諸説があります。彼の活動や業績に関する記録は、残念ながらほとんど存在しません。

親族と背景

清成の父である藤原宇合は、当時の重要な地位を占める参議兼式部卿であり、その下で多くの事柄が進められました。しかし、宇合が死去した天平9年（737年）に清成の息子、藤原種継が誕生したにもかかわらず、清成の個人に関する具体的な活動は六国史や他の歴史書には記録されていません。清成は無官位であり、そのために記録の存在が乏しいのかもしれません。

藤原広嗣の乱と影響

清成の若い頃、天平12年（740年）には彼の長兄である藤原広嗣が反乱を起こしました。これを藤原広嗣の乱と呼びます。長兄の乱は、清成とその家族に大きな影響を与えました。特にこの乱に連座した年長の兄弟たちは官位を剥奪され、流罪になりました。また、広嗣の許にいた弟は処刑されるなど、家族の悲劇的な運命が続きました。清成自身もこの乱に関与した疑いがあり、処刑されたか、流罪となった兄弟の帰京を待たずに病没した可能性が考えられています。

歴史書における記録の欠如

清成の名前が歴史書からほとんど記録が漏れているのは、時代背景や歴史的文脈から来るものかもしれません。『続日本紀』などの史書は、特に特筆するべき成果や業績がない場合、下級官人や無位無官の者の記録は残しにくい傾向にあります。『続日本紀』が編纂された時期は、清成の弟百川や息子種継が政権の中枢にいる時期であったため、当時の政治的事情により清成の事績を敢えて記載しなかった可能性も考えられます。

家族構成

清成の家族については、父である藤原宇合や母である高橋阿禰娘（高橋笠朝臣の娘）に加え、妻には秦朝元の娘がいました。彼には以下の子供たちがいました。

• - 藤原種継（737-785）: 彼の唯一の記録が残る子息です。種継は後に重要な貴族の一員として知られるようになります。
• - 生母が不詳な子女: 彼には他にも、種継の子ともされる男子の藤原安継や、桓武天皇の女御である女子の藤原正子がいました。

以上のように、藤原清成は奈良時代の貴族の一員であったものの、その具体的な足跡や業績は不明のままとなっている人物です。彼の家族や背景を考えると、当時の貴族社会における運命の不確実さを実感させられます。

もう一度検索