藤原真従

藤原 真従（ふじわら の まより）

藤原真従は、奈良時代に活躍した貴族であり、藤原南家に属する重要な人物です。彼の父親は著名な貴族である藤原仲麻呂であり、母は藤原宇比良古（藤原房前女）です。真従は従五位下の官位に昇進し、中務少輔としての役職も持っていました。

経歴

真従は天平21年（749年）4月1日、従五位下に昇叙されました。同年の8月10日には中務少輔に任命されましたが、その後の彼の活動については資料が乏しく、『六国史』にも真従に関する記載はほとんどありません。これは、彼が早世した可能性を示唆しているとも考えられます。

真従の妻は粟田諸姉であり、彼女は後に淳仁天皇の妃となります。これは、藤原仲麻呂の策略によって実現したもので、粟田諸姉は仲麻呂の影響を受けながら、大炊王（のちの淳仁天皇）と結婚しました。大炊王は仲麻呂の私邸に居住することになり、これにより仲麻呂はさらなる政治的な力を得ることになりました。

仲麻呂の影響

天平勝宝9年（757年）4月、仲麻呂は大炊王を皇嗣として立て、この行動が彼の権力を一層強化させました。これにより、真従の家系やその影響力もまた変容したことでしょう。このように、政治的な繋がりや結束が、真従やその家族の運命に大きく影響を与えたことは疑いの余地がありません。

官歴

真従の官歴は『続日本紀』に記されています。彼の官位は以下の通りです。

• - 時期不詳：正六位下
• - 天平21年（749年）

- 4月1日：従五位下
- 8月10日：中務少輔

このように、真従は昇進を果たし、官位の上昇が彼の地位を確立させる一助となったと考えられます。しかし、彼の業績や名声に関する記録が残っていないことは、彼の人生がいかに短命であったかを物語っています。

家族と子女

真従の系譜については『尊卑分脈』が参考になります。彼には生母が不詳の子女がいますが、その一人が藤原広河（藤原巨勢麻呂の子）と結婚しました。真従の家族は、藤原仲麻呂の影響を受けた複雑な背景を持っていたことがわかります。

結論

藤原真従は、奈良時代の貴族としての職務を全うし、その家系に重要な足跡を残しました。政治的な繋がり、高い官位、そしてその生涯は他の貴族たちと密接に絡み合っていました。彼の存在は、当時の藤原南家の力関係や政治情勢を理解する上で欠かせない要素となっています。

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