藤原宇比良古

藤原 宇比良古（ふじわら の おひらこ/うひらこ）

藤原宇比良古は、生年不詳ですが奈良時代の女官として知られ、天平宝字6年6月23日（762年7月18日）に亡くなりました。彼女は、藤原北家の祖である贈太政大臣藤原房前の娘であり、太師藤原仲麻呂の妻として、歴史に名を刻みました。

生涯の概要

藤原宇比良古は、藤原仲麻呂と結婚し、彼との間に多くの子供をもうけました。彼女の子供には、真従、真先、訓儒麻呂、朝狩（新田部親王の娘である陽侯女王の子とも推測される）、真文、児従が含まれています。宇比良古は、家族を支えるだけでなく、政治的にも影響力を持つ存在でした。

宇比良古は天平21年（749年）4月1日、奈良の大仏建立の功績を讃えられ、従五位上から正五位下に昇叙されました。記録には「藤原朝臣袁比良売献遮那仏」と名乗り、その功績が文書にも残されています。このように、彼女は当時の女官としての地位を確立し、さらなる栄進を遂げました。同じ年の9月13日には、天平勝宝元年に改元された後、従四位下に昇進しました。

次に、天平宝字4年（760年）正月5日には、藤原仲麻呂が孝謙天皇に謁見する際には彼女も伴い、従三位から正三位に昇叙されます。彼女の職務は尚侍（女官の最高位）や尚蔵兼（物資を管理する官職）とされ、男性官人と同じように給与が支給される制度が設けられました。この時期は仲麻呂が権力を握っていた時代であり、宇比良古の影響力が如何に大きかったのかが窺えます。

聖武天皇や孝謙天皇、さらに淳仁天皇の時代にかけて、宇比良古は女官として仲麻呂を支え続けました。彼女の死は仲麻呂政権の衰退に繋がるとされ、彼女が存在しないことが一族の行く末に影を落としました。実際に彼女の死から2年後には仲麻呂の一族が滅亡することが歴史に記されています。

死去と弔い

藤原宇比良古は、天平宝字6年（762年）6月23日に亡くなりました。朝廷は彼女の死を悼み、絁100疋、麻布100端、鉄100挺を贈り弔いました。これらの賻物は当時の規定に従い贈られたものでしたが、宇比良古の位が正三位であることから、通常の規定を超える高額な供物が贈られたことからも、その存在の重要性が伺えます。

官歴

藤原宇比良古の官歴は以下の通りです。

• - 時期不詳：従五位上
• - 天平21年（749年）4月1日：正五位下
• - 天平勝宝元年9月13日：従四位下
• - 時期不詳：従三位
• - 天平宝字4年（760年）正月5日：正三位
• - 時期不詳：尚蔵・尚侍
• - 天平宝字6年（762年）6月23日：薨去

彼女の生涯と功績は、藤原氏の栄華の一端を示すものとして、多くの歴史的資料に残されています。

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