藤原親通

藤原親通（ふじわら の ちかみち）は、平安時代後期に活躍した公家です。父は長門守を務めた藤原伊信で、その血筋は、源頼朝に敗れた藤原親政の祖父、平資盛の曽祖父にまで遡ります。

生涯

親通は、山城守を経て、大治2年（1127年）には下野守に任ぜられました。その後、下総守に転任し、この下総守在任中の保延2年（1136年）には、在地領主であった千葉常重から相馬御厨や立花荘といった荘園を召し上げたという記録が残っています。このことから、当時の朝廷と地方領主との関係性や、親通の政治的な立場を垣間見ることができます。

親通の詳しい政治活動やその他の事績については、史料が限られているため不明な点が多いですが、下野守や下総守といった要職を歴任したことから、朝廷内でも一定の地位を占めていたと考えられます。また、在地領主から荘園を召し上げたという事実は、当時の荘園制度や、朝廷による地方支配の一端を示すものとして、歴史を考察する上で重要な情報と言えるでしょう。

系譜

親通の父は、長門守を務めた藤原伊信です。母は二条院反物龍女とされています。妻については詳しい記録がなく不明です。親通には多くの子がおり、その中には以下のような人物が知られています。

藤原親頼
藤原親方
藤原親盛
承源
円空
忠顕

また、娘の一人は平頼盛の側室となっています。

これらの系譜から、親通が多くの子供たちに恵まれ、その子孫が後の時代に様々な形で歴史に関わっていく様子がうかがえます。特に、娘が平氏の一門に嫁いだことは、当時の貴族社会における婚姻関係が、政治的な影響力や勢力拡大に重要な役割を果たしていたことを示唆しています。

このように、藤原親通は平安時代後期の公家として、その生涯や系譜を通して、当時の社会や政治情勢を理解する上で重要な人物の一人であると言えるでしょう。

もう一度検索