藤原雄依

藤原雄依の生涯と官歴

藤原雄依（ふじわら の おより）は、奈良時代から平安時代初期にかけて活躍した貴族であり、藤原北家の一員として知られています。彼の父は左大臣の藤原永手であり、その家系からも多くの地位を得た人物でした。名前は「小依」とも記されることがあります。

初期の経歴と昇進

藤原雄依は天平神護3年（767年）に従五位下に任じられ、右衛士督と兼ねて内豎少輔に昇進します。しかし、同年の8月には備前権守として左遷されています。この左遷は、一時的なものであり、神護景雲2年（768年）には備前守に任じられることになります。

翌年には、称徳天皇が父の永手の邸宅を訪問した際に、雄依は兄の家依と共に一階の加階を受けて従五位上に昇進しました。この時期は彼の昇進が続く期間となり、宝亀元年（770年）には光仁天皇の即位に伴い正五位下に昇叙されました。その後も、正五位上（775年）、従四位下（777年）と着実に昇格していきます。

彼はその間に内蔵頭、右衛士督、左京大夫、侍従、式部員外大輔、宮内卿に任命され、地方の官職としては備前守、播磨守、讃岐守を兼ねるなど、多岐にわたる役職を歴任しました。

桓武朝への入陸

天応元年（781年）に桓武天皇が即位した際、雄依はまた従四位上に昇進します。延暦4年（785年）には、大蔵卿に叙任され、さらに正四位下に昇進しますが、同年9月に藤原種継暗殺事件に連座し、隠岐国に流罪となってしまいます。この事件は、彼のキャリアにおいて大きな波乱となりました。

帰京と最終的な地位

延暦24年（805年）には流罪から免じられ、同じく流罪にされた五百枝王らと共に京に戻ります。そして延暦25年（806年）には、桓武天皇の崩御直前に本位に復され、再び従四位上に叙せられました。その後の消息については、六国史には記録が残っていないため、彼の生涯の最後については不明な部分が多く残っています。

家族と系譜

藤原雄依は、藤原永手を父に持ち、母は藤原良継の娘です。また、妻は大伴潔足の娘であり、彼の子供として藤原賀祜麿が知られています。彼の家系は藤原氏の中でも重要な位置を占め、彼の子孫たちは後の日本の歴史にも大きな影響を与えることとなります。

参考資料

彼の人生や業績については『続日本紀』や『日本後紀』、そして『尊卑分脈』などの文献に詳しく述べられています。藤原雄依の存在は、奈良及び平安時代の日本の貴族社会における重要な役割を果たしています。

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