藤尾領

藤尾領：音楽の多様な表現者

藤尾領（ふじお りょう）は、1966年東京都豊島区生まれのミュージシャン、作詞家、作曲家、編曲家である。幼少期から音楽に親しみ、小学校時代にはオーケストラに参加。同年代のミュージシャンとの出会いが、彼の音楽人生の大きな転機となった。

中学校時代には、すでにフルオーケストラの編曲に取り組むなど、並外れた才能を発揮。友人らと結成したロックバンドでは、ドラマーの座を惜しくも逃すものの、ギターとしてバンド活動に貢献する。この頃から、後の音楽活動に繋がる重要な人脈を築き始める。地元池袋での出会いも、彼の音楽キャリアに大きな影響を与えた。

高校時代には、バンド「A-JARI」を結成。1984年にはアマチュアバンドコンテストで優秀賞を受賞し、プロへの道を切り開く。1986年にはシングル「SHADOW OF LOVE」でメジャーデビューを果たし、本格的な音楽活動をスタートさせた。

1989年のA-JARI解散後も、精力的に活動を続ける。THE HEARTへの加入や脱退を経て、寺田恵子、及川光博、諸星和己といった著名アーティストのツアーサポートに参加。さらに、米倉利紀、PINK SAPPHIREなど、多数のアーティストに楽曲を提供。劇団第三舞台などの舞台音楽も手掛け、その活動は多岐にわたる。

1996年には少年隊に楽曲を提供。同年、バンド「IKEBUKURO」を結成し、シングル「Diamond」や、テレビアニメ「ハーメルンのバイオリン弾き」のエンディングテーマ曲「傷だらけのツバサ」を発表。

1998年のIKEBUKURO解散後は、フリーのミュージシャンとして活動。木暮武彦率いるサイコデリシャスに参加するなど、様々なプロジェクトに参加し、音楽表現の幅を広げていく。2006年にはソロアルバム「1984-2000」をリリース。この頃から「月島晴海」名義でも活動を開始し、子供向け音楽なども手がけるようになる。

音楽活動と並行して、2010年には総合格闘技にも挑戦するなど、その活動は音楽の枠を超えたものとなる。NAONのYAONの編曲・音楽監督も務めた。翌年にはA-JARIのトリビュートアルバムをプロデュースし、リリース。また、ギター・インストゥルメンタルアルバムを全世界配信するなど、グローバルな活動も展開する。

2012年にはデス・フォーク・ユニット「千早」を結成。キックボクサーの入場曲などを収録したアルバムを発表。さらに、BONNIE PINK|BONNIE_PINKやオーケストラとのコラボレーションなど、大規模なプロジェクトにも参加するなど、その才能は高い評価を得ている。

2017年からは「Guitar Girls Collection」の編曲、プロデュースを担当。そして2020年には、A-JARIが期間限定で再結成することが発表され、藤尾もオリジナルメンバーとして活動に参加している。

藤尾領は、長年にわたり音楽業界で活躍を続け、多様な音楽ジャンルを横断する稀有な存在である。その活動は、音楽の持つ可能性を常に探求し、多様な表現に挑戦し続ける姿勢を示していると言えるだろう。彼の今後の活動からも目が離せない。

もう一度検索