藤島正健

藤島正健

藤島正健（ふじしま まさたけ）は、1845年（弘化2年）に熊本で生まれ、1904年（明治37年）に没した、日本の大蔵官僚、そして官選県知事です。

生い立ちと初期の経歴

藤島正健は、熊本藩士である藤島昌和の長男として生まれました。幼少期を熊本で過ごし、その後、明治維新後の新たな政府に仕官することになります。

大蔵官僚としての活躍

1872年（明治5年）、藤島は政府に出仕し、検事局十等出仕としてキャリアをスタートさせました。その後、紙幣寮大属九等出仕、紙幣権助、大蔵権少書記官、大蔵少書記官、大蔵権大書記官、兼員外議官補など、大蔵省内の様々な役職を歴任しました。

1884年4月には、フランス・パリ在留領事に任命され、海外での勤務も経験しました。1886年3月には大蔵省に復帰し、大蔵書記官に就任。その後も総務局文書課長、銀行局長と、大蔵省の要職を歴任しました。

県知事としての活動

1888年10月、藤島正健は富山県知事に任命されました。その後、1890年7月には千葉県知事に転任。しかし、1892年2月の第2回衆議院議員総選挙において選挙干渉を行い、死傷者を出すという事件を引き起こし、1893年3月に千葉県知事を辞任しました。

日本勧業銀行副総裁

1897年6月、藤島は日本勧業銀行の副総裁に就任し、1900年までその職を務めました。日本勧業銀行は、殖産興業政策を推進するための重要な機関であり、藤島はここでその経験と知識を活かしました。

死去

藤島正健は、1904年（明治37年）10月15日に亡くなり、その墓所は谷中霊園にあります。

栄典

藤島正健は、その功績により、以下の位階と勲章を授与されています。

1890年（明治23年）11月1日 - 従四位
1893年（明治26年）6月20日 - 正四位
1886年（明治19年）11月30日 - 勲六等単光旭日章
1889年（明治22年）11月29日 - 大日本帝国憲法発布記念章
1892年（明治25年）6月29日 - 勲四等瑞宝章

血縁関係

藤島正健の母・茂登子は、矢嶋直明・鶴子夫妻の長女で、横井つせ子（横井小楠の妻）、徳富久子（徳富一敬の妻）、竹崎順子、矢嶋楫子といった著名な人物を妹に持ちます。そのため、藤島正健は、徳富蘇峰・徳冨蘆花兄弟とは母方の従兄弟同士にあたります。また、長女の雪子は佐佐木信綱に嫁いでおり、佐佐木治綱は外孫、佐佐木幸綱は曾孫にあたります。これらの血縁関係は、当時の社会における文化人や知識人の繋がりを示すものであり、藤島の人物像をより深く理解する上で重要な要素です。

参考文献

上田正昭他『日本人名大辞典』講談社、2001年。
* 歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。

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