藤田進 (拉致被害者)

藤田進の失踪と拉致問題

藤田進（ふじた すすむ、1956年6月16日生まれ）は、日本人男性であり、北朝鮮による拉致被害者として知られています。彼は特定失踪者問題調査会によって「拉致濃厚」とされており、その経緯は日本国内外で大きな関心を集めています。

幼少期からの経歴

藤田進は埼玉県川口市で生まれ育ちました。小学生の頃から競泳において優秀な成績を収めており、中学校では生徒会長を務めるなど、学業とスポーツの両方で才能を発揮していました。また、川口市立川口西中学校ではその学業の成績の良さから評判を得て、進学校である埼玉県立浦和高等学校に進学しました。

家庭環境も非常に良好であり、父の春之助は進の成長を誇りに思っていました。しかし、進が失踪した後は、育て方の誤りを悔いる日々だったと言われています。進は家庭内では控えめな性格で、特技はギター演奏でした。さらに、彼は東京学芸大学教育学部に進んでいます。

失踪の経緯

1976年2月7日、藤田進は新宿区で警備員のアルバイトに出かけるため、家庭に最後の言葉を残しました。それ以降、彼は帰らず行方不明となりました。行方不明後、警備会社に問い合わせを行いましたが、彼の名前は見つからないままでした。その後、在日朝鮮人が運営する西新井病院で彼が監禁されていたという証言が明らかになりました。この証言によると、進は「保護室」と名付けられた部屋で、薬剤を投与され意識を失った状態で、身動きが取れない保護服を着せられていたとされています。

その後数日して、新潟港に移送され、万景峰号に乗せられて北朝鮮へ連れ去られたとされます。

拉致の疑いと証拠

藤田進が失踪した経緯については、他に考えられる失踪理由が存在しないことや、拉致被害者が多い川口市の出身であること、そして、失踪が宇出津事件のあった前年であることから、拉致の疑いが強く指摘されています。2004年には脱北者が北朝鮮から持ち出した日本人の写真が、藤田進の失踪前の写真と高い一致率であることが明らかになりました。写真の提供者によると、藤田進は平安南道に存在しているとの情報があります。

さらに、元北朝鮮工作員である安明進は、藤田進を金正日政治軍事大学で見かけたという証言を行っています。1990年7月か8月、安明進は藤田進からタバコを受け取ったとされ、その外見や特徴を詳しく描写しています。彼は藤田が眼鏡をかけ、小顔で約172センチの身長を持っていると証言しました。

量産が進む中、2007年7月にはTBS報道特集で、北朝鮮の政治犯収容所で特異な扱いを受けている囚人として「フジタススム」と名乗る日本人が紹介されたという情報が流れ、特定失踪者問題調査会の理事は藤田進である可能性が高いとコメントしています。

結論

藤田進の失踪は、日本において未解決の謎として残り続けています。彼の家族や関係者は、藤田進の無事を信じて希望を持ち続けており、彼をめぐる状況は今後も多くの人々によって注視されるべき問題です。

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