蘆名直盛

蘆名直盛（あしな なおもり）は、南北朝時代に活躍した武将であり、蘆名氏の第7代当主です。第5代当主蘆名盛宗の子（または第6代当主盛員の子）として生まれました。

建武2年（1335年）、父である盛宗と兄の高盛、盛員が中先代の乱で相次いで戦死したため、家督を継承しました。その後、新宮明継らと戦い、貞和年間にかけて勢力を拡大しました。

観応3年（1352年）閏2月、足利尊氏と新田義宗、義興が小手指原で合戦に及ぶと、当初は尊氏に味方していましたが、後に石塔義房、三浦高通らと共に新田氏側に寝返りました。この寝返りが原因で尊氏軍は敗走を余儀なくされました。しかし、千葉氏胤、結城基光の助力を得て立て直した尊氏軍に敗れ、直盛は会津へ敗走しました。

文中2年（1373年）には、三浦小荒井入道に対して大荒居村の領有を認める安堵状を発給しています。大荒居村は佐原氏の所領である加納庄に位置しており、この安堵状の発給は、直盛が勢力を拡大し、佐原氏の領地を脅かしていたことを示唆しています。

蘆名氏の南北朝時代の動向については不明な点が多いものの、直盛の代に会津地方に土着したと考えられています。また、元中元年/至徳元年（1384年）には、後の若松城となる黒川城の前身、東黒川館を築いたと伝えられています。

このように、蘆名直盛は、激動の南北朝時代において、蘆名氏の勢力拡大に大きく貢献した人物であると言えるでしょう。

参考文献

* 七宮涬三『三浦・会津 蘆名一族』（新人物往来社）

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