虫掛駅

虫掛駅について

虫掛駅（むしかけえき）は、茨城県土浦市虫掛に位置していた筑波鉄道筑波線の廃駅です。ここでは、この駅の歴史や構造、周辺の環境について詳しくご紹介します。

歴史

虫掛駅は、元々は常名地区に駅を設置する予定でしたが、1688年に創業された醤油メーカー「柴沼醤油醸造」が駅の誘致活動を行った結果、現在の虫掛地区に駅が設けられることとなりました。この地域の発展に大きく寄与した企業の存在が、駅の立地に影響を与えたことが伺えます。

年表

• - 1918年（大正7年）4月17日: 筑波鉄道（初代）の駅として開業。
• - 1945年（昭和20年）3月20日: 会社合併により、常総筑波鉄道筑波線の駅となる。
• - 1965年（昭和40年）6月1日: 再び会社合併があり、関東鉄道の駅となる。
• - 1979年（昭和54年）4月1日: 筑波鉄道の駅として事業譲渡される。
• - 1987年（昭和62年）4月1日: 筑波線の廃線に伴い、虫掛駅は廃止。

現在、駅跡地は茨城県道505号桜川土浦潮来自転車道線（つくば霞ヶ浦りんりんロード）の休憩所として利用されています。

駅の構造

虫掛駅は地上駅で、対向式ホームが2面2線設けられていました。駅の入口は南側の下りホームにあり、上りホームへのアクセスは土浦方面にある踏切を利用するものでした。下りホームには簡素な旅客上屋があり、「送電室」と書かれた小屋も併設されていました。かつてこのホームには、木造の立派な駅本屋が存在しましたが、現在はその姿はありません。

上りホームには豊かな樹木が植えられていましたが、待合室は設けられておらず、シンプルな構造でした。この構造からも、駅の利用者にとって静かな環境が提供されていたことが感じられます。

駅周辺

虫掛駅は虫掛集落の北端に位置し、駅の北側には木造の倉庫、さらにその北側にはレンコンの田んぼが広がっていました。交通インフラとしては、岩瀬方面には常磐自動車道が開通しており、土浦方面には国道6号土浦バイパスが走っています。

また、柴沼醤油醸造の工場が駅の近くに位置しており、当駅から醤油が出荷されていました。この駅は、地域の生産物を支える重要な役割も担っていました。

隣の駅情報

虫掛駅は、筑波鉄道の筑波線に位置し、隣接する駅は以下のようになります。

• - 新土浦駅 - 虫掛駅 - 坂田駅

まとめ

虫掛駅は茨城県の歴史に根ざした場所であり、地域産業の発展とも深く関わっています。その長い歴史を経て、現在では自転車道の休憩所として地域住民や観光客に利用されています。かつての繁栄を思わせる跡地を訪れることは、地域の過去を感じ取り、新たな価値を見出す貴重な体験となることでしょう。

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