虹色の湖

虹色の湖

「虹色の湖」は、日本の歌手である中村晃子が1967年10月10日にリリースした通算7枚目のシングルレコードです。この楽曲は、当時の日本の音楽シーンで人気を博していたグループサウンズ（GS）のスタイルを取り入れた、いわゆる「一人GS」とも評される編曲と演奏が特徴となっています。楽曲はロ短調で構成されており、そのメロディーとサウンドは多くの聴衆を魅了しました。

記録と評価

本楽曲は、1965年にレコードデビューを果たした中村晃子にとって、自身のキャリアにおける最初の大きなヒット曲となりました。発売以来、累計でおよそ80万枚という当時の歌謡曲としては異例の売上を記録する大成功を収めました。この「虹色の湖」の大ヒットを受けて、中村晃子は1968年の年末に開催された「第19回NHK紅白歌合戦」への初出場を果たすなど、その後の活躍の足がかりとなりました。

オリジナルシングル盤

オリジナルで発売された7インチシングル盤には、デザインの異なる2種類のジャケットが存在します。一つは赤色を背景に、中村晃子の右側からの横顔をクローズアップした写真が使われたデザインです。もう一つは、黒色の背景をバックに、椅子に座って足を組んだ中村の全身を写した写真が用いられています。

また、オリジナル盤に封入されていた歌詞カードには、楽曲の歌詞と共に、本曲のメロディー譜面も印刷されているという特徴があります。

B面曲「夢みていたい」

シングルのB面には「夢みていたい」という楽曲が収録されています。この曲は変ニ長調で、A面とはまた異なる雰囲気を持っています。発売以来、長い間CDとして再商品化される機会がありませんでしたが、2014年11月19日にリリースされたコンピレーションアルバム『昭和歌謡ジュークボックス 中村晃子60'sシングルコレクション』に収録されたことで、ようやくCD音源が入手可能となりました。さらに、2015年9月2日には、オリジナル7インチシングル盤の体裁を踏襲したマキシシングルとして、MEG-CD（ミュージックグリッド：MSCL-12782）としても発売され、再びファンに届けられました。

メディアでの使用

「虹色の湖」は、発売当時から様々なメディアで取り上げられています。1968年に公開された松竹映画『進め!ジャガーズ 敵前上陸』では、出演した中村晃子が、主演のグループであるザ・ジャガーズの演奏をバックに劇中で本楽曲を披露するシーンがあります。時代が下って2015年には、女優の市川実日子が出演した公益社団法人びわこビジターズビューローのテレビCMにおいて、印象的な挿入歌として使用され、再び脚光を浴びました。

収録曲詳細

オリジナルシングル盤に収録されている2曲の情報は以下の通りです。

虹色の湖 (演奏時間: 2分34秒)
作詞：横井弘
作曲：小川寛興
編曲：森岡賢一郎
演奏：津々美洋とオールスターズ・ワゴン・プラス・ストリングス
コーラス：ザ・エスカイヤーズ

夢みていたい (演奏時間: 3分57秒)
作詞：横井弘
作曲：小川寛興
編曲：森岡賢一郎
演奏：キングオーケストラ
コーラス：ロス・インディオス

主なカバーアーティスト

後年、多くのアーティストによってカバーされています。主な例として、以下のアーティストが挙げられます。

石原詢子（アルバム『我がこころの愛唱歌II 〜人情と活気に溢れてたあの時代〜』およびCD-BOX『石原詢子 時代のうた』に収録）
坂本冬美（アルバム『LOVE SONGS Ⅳ〜逢いたくて 逢いたくて〜』に収録）
* 徳永英明（アルバム『VOCALIST VINTAGE』に収録）

また、2013年に開催された桑田佳祐のライブイベント『昭和八十八年度! 第二回ひとり紅白歌合戦』でもカバーされ、話題となりました。

関連事項

本楽曲に関連する事柄として、発表された1967年の音楽シーン、そして中村晃子が紅白歌合戦に初出場し、映画に出演した1968年の音楽動向などが挙げられます。

もう一度検索