蛇の目

蛇の目（じゃのめ）の概要

蛇の目とは、中心に黒い円を配し、その周囲に同心円状の模様が特徴的な図形のことを指します。この名称は、その形状が蛇の目を彷彿とさせることに由来しています。そのため、蛇の目は日本の文化や符号の中で多様な意味を持ち、様々な場面で使用されています。

記号の定義

蛇の目は、黒い円の中心に同心円で白抜きのデザインを施したもの、または幅広の円環で構成される円形の図形と定義されます。このような模様は英語では「fisheye」と呼ばれますが、これは異なる模様である「鯛の目」と混同されがちです。

用途

蛇の目模様は、日本においては特に天気記号で霧を象徴するマークとして知られています。また、UML（統一モデリング言語）においては、ステートマシン図やアクティビティ図内で終了状態を示す際にも用いられます。

星図の分野では、変光星を表すために使用され、新聞などの文章では、箇条書きの記号として蛇の目が使われることがあります。更には、日本語の圏点や古代の錬金術記号、ヒエログリフ、初期の中国の漢字においても太陽のシンボルとしての役割を果たしています。

家紋としての蛇の目

蛇の目は、日本の家紋の一種である「弦巻紋」にも関連付けられています。弦巻は弓の弦を巻きつけるための武具で、その姿が蛇の眼に似ていることから、その名前がついたと考えられています。特に、加藤氏や堀氏などの家系で使用されることが多く、独自の形にアレンジされた「三つ盛蛇の目」や「蛇の目九曜」など、さまざまなタイプが存在します。

蛇の目に関連する用語

蛇の目という言葉は、他にもさまざまな用語に関連しています。例えば、蛇の目傘は、特有の模様を持つ和傘であり、細身の形状が特徴です。北原白秋が作詞した童謡「あめふりの」歌詞に登場する「じゃのめ」は、まさにこの蛇の目傘を指しています。

また、「蛇の目猪口」と呼ばれる器は、酒や醤油の品質を確認するために使われ、底に青色の輪の模様が描かれています。このように、蛇の目は多岐にわたる用途に適用されています。

生物学的な視点

目のような模様は、さまざまな生物にも見られることがあります。これらの模様は擬態や警告色の一環として生理的に重要であり、総じて「眼状紋」と呼ばれます。ジャノメチョウやジャノメイシガメなど、特に目のような模様が観察される生物が多いことから、蛇の目の名前が生物に付けられることもあります。

まとめ

蛇の目は、日本文化に根付いた多様なシンボルとして、様々な形で存在し続けています。家庭や社会、さらには自然界に至るまで広く使われており、それぞれの文脈で異なる意味を持ちます。これらの多面的な利用は、蛇の目が持つ独特な魅力を物語っています。

もう一度検索