蜂須賀年子

蜂須賀年子（はちすか としこ）

蜂須賀年子（1896年12月1日 - 1970年12月29日）は、日本のデザイナーであり、教育者としても知られています。華族出身でありながら、戦後の教育界に貢献しました。

生涯

東京府（現在の東京都）に、蜂須賀正韶の長女として生まれました。母は徳川慶喜の四女である蜂須賀筆子であり、名門の血を引いています。妹に笛子と小枝子、弟に鳥類学者の蜂須賀正氏がいます。

1907年、母・筆子が亡くなると、聖心女学院で学びました。その後、子爵の松平康春と結婚し、四女一男をもうけますが、後に離婚しています。

日本手芸協会連合副会長を務めるなど、手芸界でも活躍しました。1947年には、菊華中学校・高等学校（現在の杉並学院中学高等学校）の校長に就任し、教育者としての道を歩み始めます。

戦後には、三田にあった邸宅の一部を改造し、蜂須賀服飾学園を設立しました。その他、ニュー・スタイル学院（上野）や山脇服飾美術学院（市ヶ谷）でも教鞭を執り、後進の育成に尽力しました。

系譜

父：蜂須賀正韶
母：蜂須賀筆子（徳川慶喜の四女）
外祖父：徳川慶喜
祖父：蜂須賀茂韶
妹：蜂須賀笛子（男爵・松田正之夫人）、蜂須賀小枝子（子爵・佐竹義種夫人）
弟：蜂須賀正氏（鳥類学者）
配偶者：松平康春（子爵、後に離婚）
子供：娘4人、長男：松平康

長男・松平康は、「五人目の男の子が生れたとき、何だか自分の義務を果したような気になつて、私は実家蜂須賀家にかえつてきた」と述べています。

交友関係

作家の谷崎潤一郎とは、互いに熱海市に住んでいた時期があり、交流がありました。谷崎の作品には、年子の話をモデルにしたと思われるものも存在します。

著書

『大名華族』（三笠書房、1957年）
『手芸の事典』（東京堂出版、1967年、岡登貞治と共編）

関連文献

蜂須賀正氏『南の探検』 (平凡社ライブラリー、2006年) ※1943年刊行書の復刊

参考文献

芳賀登ほか監修『日本女性人名辞典』（日本図書センター、1993年）
蜂須賀年子『大名華族』三笠書房、1957年

外部リンク

蜂須賀年子 - Webcat Plus

蜂須賀年子は、華やかな出自を持ちながらも、教育者として社会に貢献した女性でした。その生涯は、激動の時代を生き抜いた女性の強さと知性を示しています。

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