行政会議 (香港)

行政会議とは

行政会議（英語: Executive Council、中国語: 行政會議）は、香港特別行政区行政長官の最高諮問機関です。日本では、英語名称からの翻訳として行政評議会と訳されることもあります。香港が中国に返還される前は「行政局」と呼ばれていましたが、英文名称は現在と同じです。

行政会議の役割と構成

行政会議は、行政長官が議長を務め、香港政府の重要な政策について議論を行います。行政長官は、行政会議の意見を参考にしますが、最終的な決定権は行政長官自身にあります。行政長官は、議事の理由を明記すれば、行政会議の多数意見に従わないことも可能です。

行政会議のメンバーは、政府の主要部門の責任者である官守成員（Official member）と、民間から選ばれる非官守成員（Non-Official member）で構成されます。行政会議は、内閣に相当すると考えられることもありますが、行政権はあくまで行政長官個人に属しており、一般的な議院内閣制における内閣とは異なります。行政会議のメンバーの任期は特に定められていませんが、メンバーを任命した行政長官の任期を超えることはありません。メンバーは、会議での議論内容について守秘義務を負い、決定された政策に対しては、公に支持を表明する必要があります。

返還前の行政局

[イギリス]]植民地時代、行政局は香港上海銀行]、[[ジャーディン・マセソン、スワイヤなどのイギリス系企業の役員や幹部が非官守議員として参加し、香港政庁の政策に大きな影響力を持っていました。一方、現在の官守成員に相当する者としては、3司長と駐香港イギリス軍司令官（1993年まで）の4名が当然議員とされ、その他の局長は必要に応じて官守議員に任命されるか、会議への参加を認められていました。当時、行政局は政府内の会議というよりも、植民地統治における利害調整の場としての性格が強かったと言えます。また、行政局の議員が立法局（立法評議会）の議員を兼務することも多くありました。しかし、1992年に就任したパッテン総督は、1994年の政治改革で行政と立法の分離を図り、立法局議員を兼任していた行政局議員を解任しました。

返還後の行政会議

香港が中国に返還された後、行政会議はパッテン以前の行政局のあり方に戻されました。しかし、2002年に董建華行政長官が局長問責制を導入し、行政組織を11局に再編した上で、全ての局長（問責局長）を官守成員としました。これにより、局長は公務員から政治任命職となり、閣僚に相当する地位になりました。この改革により、行政会議における官守成員の数が過半数を占めるようになり、より内閣に近い組織となりました。なお、行政局議員の名称も返還後は行政会議成員に改められました。

しかし、曽蔭権行政長官は、非官守成員を大幅に増やし、再び非官守成員が行政会議の過半数を占めるようにしました。曽長官が任命した非官守議員は、各政党の幹部や主要人物で、左派、保守派、民主派を網羅するものでした。この点で、返還前の行政局とは異なっています。また、従来、全ての官守成員は全ての議論に参加していましたが、行政長官、政務司長、財政司長、律政司長の3司長は全ての議論に参加するものの、それ以外の官守成員である各問責局長は、自身の担当分野以外の議論に参加しなくてもよいと改められました。

まとめ

行政会議は、香港の重要な政策決定に関わる最高諮問機関であり、その構成や役割は歴史的な変遷を経て変化してきました。行政長官の意思決定において重要な役割を果たしており、香港の政治において不可欠な存在です。

参照

[香港上海銀行]
ジャーディン・マセソン
* スワイヤ

外部リンク

行政会議 - 行政会議の紹介およびメンバーの一覧がある。

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