袋町 (新宿区)

袋町（ふくろまち）

袋町は、東京都新宿区の北東部に位置する、丁目を持たない単独の町名です。住居表示は未実施で、牛込地域に属しており、その名から「牛込袋町」とも呼ばれます。町域は、北は神楽坂、東は若宮町、南から南西部にかけて南町、中町、北町、そして西は岩戸町と隣接しています。町内は主に住宅地として利用されています。

歴史

袋町は、かつて牛込台地上に位置し、見晴らしの良い場所でした。戦国時代には、牛込氏がこの地に牛込城を構えていましたが、後北条氏の滅亡とともに廃城となりました。

江戸時代には、地蔵坂周辺に牛込肴町に属する町屋が立ち並び、特に藁を売る店が多かったことから「藁店（わらだな）」と呼ばれました。また、坂の上は牛込北御徒町（現在の北町）に続く袋小路であったため、「袋町」と呼ばれるようになったという説があります。1645年（正保2年）には、光照寺がこの地に移転し、門前町が形成されました。1765年（明和2年）には、光照寺の向かいに幕府天文方の司天台が移転してきましたが、境内の林が観測の妨げになったため、1782年（天明2年）には浅草へ移転しました。

江戸時代後期には、藁店に藁店亭という寄席が開かれ、初代都々逸坊扇歌などが活躍しました。明治時代には、和良店亭として色物席となり、夏目漱石が頻繁に訪れていたことで知られています。夏目漱石は、袋町に愛着があったためか、小説『それから』では、主人公の長井代助の居住地として袋町を登場させ、他の作品にも度々登場させています。

現在の袋町は、1869年（明治2年）に牛込袋町として成立し、1911年（明治44年）に冠称が外されました。その後、町域は変更されることなく現在に至っています。

世帯数と人口

2023年（令和5年）1月1日現在の東京都の発表によると、袋町の世帯数は365世帯、人口は653人です。

学区

袋町に住む子供たちが通う小学校と中学校は以下の通りです（2018年8月時点）。

小学校：新宿区立愛日小学校
中学校：新宿区立牛込第三中学校

事業所

2021年（令和3年）の経済センサス調査によると、袋町には38の事業所があり、従業員数は143人です。

施設

光照寺：袋町に位置する寺院。

その他

郵便番号：162-0828（集配局：牛込郵便局）

関連項目

袋町 (曖昧さ回避))

外部リンク

新宿区公式サイト

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