裾花川

裾花川について

裾花川（すそばながわ）は、長野県長野市を流れる信濃川水系の一級河川です。古くは「煤鼻川」や「煤花川」とも記されていました。

地理

その源は、長野県と新潟県の境に位置する高妻山（標高2,353m）にあります。そこから戸隠連峰に沿って西へ流れ、濁川と合流して南へと向きを変えます。その後、奥裾花ダム湖を経て天神川を合わせると東に向きを変え、楠川を合わせて裾花湖（裾花ダム湖）、湯の瀬ダム湖を通過し、長野盆地へと流れ込みます。長野盆地では、長野県庁付近を扇頂とする扇状地を形成しながら南へと流れ、長野市中心市街地の西縁を通り、丹波島橋付近で犀川に合流します。

治水の歴史

裾花川は、もともと長野県庁付近を扇頂とする扇状地を流れていたため、過去には度々水害を引き起こしていました。江戸時代初期には、松平忠輝とその家臣団により、流路矯正を伴う大規模な河川改修が行われました。この治水工事では、信玄堤に代表される甲州流の治水工法が用いられ、二線堤や霞堤が設けられました。

1847年の善光寺地震では、各地で河道閉塞が発生し、特に日影村では閉塞箇所が決壊して大きな被害が生じました。その後も明治時代にかけて洪水が頻発し、流域住民による川除普請によって二線堤構造が復旧されました。また、1949年の豪雨では堤防が決壊し、甚大な被害を出しました。

現在では、以下のダムが建設され治水対策が施されています。

1969年完成：裾花ダム
1969年完成：湯の瀬ダム
1979年完成：奥裾花ダム

流域の自治体

長野県：長野市

並行する交通

道路：国道406号

その他

初期の作品に裾花川の風景画を多く残した画家として河野通勢がいます。

参考文献

『長野県営電気事業 30周年記念誌 県営発電の灯をともして30年』1988年10月20日、長野県企業局編集発行

外部リンク

裾花川水系 (PDF) 長野市教育委員会
冨安克希、歴史的背景を考慮した長野市北部の内水災害
洪水ハザードマップ
戸隠地区周辺 (PDF)
* 鬼無里地区周辺 (PDF)

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