西アーザルバーイジャーン州

西アーザルバーイジャーン州について

西アーザルバーイジャーン州はイランの北西部にあり、アゼルバイジャン共和国の西側と接しています。この州は他の州や国と国境を接しており、東には東アーザルバーイジャーン州やザンジャーン州、南にはコルデスターン州、さらにはイラク（スレイマニヤ県やアルビール県）、トルコ、アゼルバイジャン共和国（ナヒチェヴァン）と接しています。面積は39,487平方キロメートル、人口は2016年の国勢調査で3,265,219人とされています。州都はオルーミーイェであり、ここは約73万人の住民が暮らしています。

地理と気候

この地域は山がちな地形が特徴で、特にザーグロス山脈が北西から南西にかけて広がっています。住民が利用する水は主に雪解け水であり、これはホイーの大断層やホイー谷およびクロイ川を通じてオルーミーイェ湖へ流れ込みます。気候は多様で、冬は地中海の影響で気温が下がる一方、夏は34度まで上昇することもあります。

州の中でもオルーミーイェやマークーは乾燥した夏と寒い冬を持っており、逆にナガデやミヤーンドアーブでは、穏やかで湿潤な夏と寒い冬が見られます。また、ユネスコはオルーミーイェ湖を生態保護区として指定しています。

歴史

「アーザルバーイジャーン」は中世ペルシア語の「アトル・パトカン」に由来しています。テッペ・ハサンルーなどの遺跡からは、この地域の歴史が紀元前第6千年紀に遡ることが確認されています。特に、1956年に発見された黄金の壺や、ハーッジ・フィールーズ・テッペからの古代のワインは注目に値します。また、タフテ・ソレイマーンなどのユネスコ世界遺産は、この地域の戦略的重要性や歴史的な激動を物語っています。

1946年にはソヴィエト連邦の侵攻があり、その後、イラン政府との間に緊迫した状況が続きました。特にクルド人国家の成立とそれに続く瓦解は、この州の歴史において特筆すべき出来事です。

宗教と文化

西アーザルバーイジャーン州の住民の大多数はシーア派ムスリムです。しかし、アッシリア教徒やアルメニア教徒など、多様なキリスト教徒も住んでいます。特にマークーは、第二次世界大戦以前に多くのキリスト教徒が暮らしていた唯一の都市とされています。州内には数多くの教会が存在し、特に聖タデウス聖堂はイランのキリスト教徒にとって重要な場所となっています。

民族構成

この地域の住民は主にアゼリーで、テュルク系の言語を使用しています。さらに、南西部には多くのクルド人が居住しており、それぞれ独自の文化と伝統を持っています。

現代の生活

オルーミーイェでは、住民が比較的高い生活水準を享受しており、街には公園や喫茶店、インターネットカフェが点在しています。また、小さな村でも水道、電気、電話などの基礎インフラが整備されています。農業においても重要な役割を果たすこの州では、169か所の文化遺産がイラン文化遺産協会に登録されています。

教育機関

州内にはいくつかの高等教育機関が存在し、学生たちは医療や工学、経済などの分野で学ぶことができます。主な大学には以下の機関があります。

• - オルーミーイェ医科大学
• - オルーミーイェ大学
• - イスラーム自由大学ホイー
• - イスラーム自由大学マハーバード
• - イスラーム自由大学オルーミーイェ

行政区分

西アーザルバーイジャーン州は、14の郡（シャフレスターン）に分かれています。これらの郡にはオルーミーイェ郡、ホイー郡、マハーバード郡、ミヤーンドアーブ郡などが含まれています。

このように、西アーザルバーイジャーン州は自然環境、歴史、文化の多様性に恵まれた地域であり、訪れる価値があります。

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