オルーミーイェ

オルーミーイェ（Orūmīyeh）

オルーミーイェは、イラン北西部に位置する西アーザルバーイジャーン州の州都です。トルコ国境に近いオルーミーイェ湖の西岸に位置し、古くから多様な民族が暮らす歴史的な都市として知られています。様々な表記があり、ウルミア、ウルミーヤ、ウルミエ、オルミア、オルミーヤなどと呼ばれることもあります。

語源

オルーミーイェの語源には複数の説があります。

アッシリア人のアラム語に由来し、「水の揺籃」を意味する
イラン語に由来し、「留まる水」を意味する

しかし、広く認められた定説はまだありません。

地理と産業

オルーミーイェは肥沃な土地に恵まれており、リンゴやブドウなどの果物、タバコの栽培が盛んです。多くの家庭でリンゴ園が営まれており、オルーミーイェ大学には大規模な農学部が設置されています。

住民構成

オルーミーイェは、アゼリー人、クルド人、アルメニア人、アッシリア人など、多様な民族が暮らす都市です。主要な言語はアゼリー語ですが、すべての民族がアゼリー語とペルシア語を理解し、話すことができます。ただし、公用語はペルシア語です。

歴史的には、様々な民族が居住してきたため、住民構成は大きく変化してきました。20世紀初頭には、キリスト教徒のアッシリア人が多数派を占めていましたが、第一次世界大戦中の虐殺や戦闘により、多くが移住しました。近年では、クルド人の人口が増加傾向にあります。

歴史

多くの歴史家は、オルーミーイェがゾロアスター教の預言者ゾロアスターの出身地であると考えています。9世紀には地域的に重要な都市となり、1184年にセルジューク朝の支配下に入りました。その後、オスマン帝国による占領とサファヴィー朝による奪還が繰り返されました。1795年には、ガージャール朝の初代シャーであるアーガー・モハンマド・シャーがオルーミーイェで戴冠式を行いました。

19世紀末にはキリスト教徒の人口が増加し、アメリカの宣教団が派遣されましたが、第一次世界大戦中に多くが離れ、現在では人口の95％がイスラム教徒です。

教育機関

オルーミーイェには、以下の高等教育機関があります。

オルーミーイェ大学：1878年にアメリカの長老派宣教団によって設立された歴史ある大学
オルーミーイェ医科大学
オルーミーイェ工科大学
イスラーム自由大学オルーミーイェ

博物館

オルーミーイェには、以下の博物館があります。

バーグチェ・ジューグ宮：ガージャール朝時代の建築物
ホイ博物館：考古学・民族学的な展示
ミヤーンドアーブ博物館：考古学博物館
自然史博物館：オルーミーイェ付近に生息する動物などを展示
オルーミーイェ博物館：考古学博物館。シャヒード・ベヘシュティー大学と提携

関連項目

オルーミーイェ湖
* 西アーザルバーイジャーン州

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