西之台遺跡

西之台遺跡

西之台遺跡は、東京都小金井市の前原町三丁目および中町四丁目に位置する、後期旧石器時代から縄文時代にかけての複合遺跡です。この遺跡は、立川ローム層内に13層の遺物を含む層が確認されており、特に後期旧石器時代の文化的背景について貴重な情報を提供しています。遺跡の周囲はノッチ状の地形に囲まれており、その周辺には数つの他の遺跡が位置しています。

概要

西之台遺跡は、武蔵野台地の南端に位置し、国分寺崖線に接しています。標高は65～68mで、現在は小金井街道がその中央を南北に通っています。この遺跡は、主に住宅や商業ビルとして開発される前の考古学的調査によって重要な遺物群が発見された場所です。特に、遺跡のA地点、B地点、C地点は、後期旧石器時代と各時期の縄文土器が確認されています。

調査の歴史

この遺跡は1953年に武蔵野郷土館の吉田格によって発見され、その後1955年、1957年、1965年にかけて発掘調査が実施されました。1973年から1974年にかけて行われたマンション建設に先立つ調査では、B地点の多様な文化層が明らかになり、後期旧石器時代から縄文時代の遺物が検出されました。続いて、1975年にはA地点でも発掘調査が行われ、重要な文化層が確認されました。

遺構と出土品

この遺跡には、多くの遺構と出土品が存在します。具体的な遺構としては、石器の集中部、礫群、炉穴などがあり、炭化物の集中も見られます。出土品の中には、ナイフ形石器、石槍、有舌尖頭器、縄文土器などが含まれています。特に縄文土器は、さまざまな形式が揃っており、隆起線文土器や撚糸文土器などの重要な遺物が見つかっています。

各時期の遺物

• - 後期旧石器時代: この時代の遺物は、剥片石器から礫器まで多様で、特にチャート製が多く確認されています。B地点の各層では、石器227点が確認され、そのうちの多くは安山岩や黒曜石が利用されています。
• - 縄文時代: 漁労や農耕が始まったこの時期には、撚糸文土器や押型文土器、さらに22基の炉穴も発見されています。これらは、当時の人々の生活様式を理解する上で重要な手がかりとなっています。

周辺遺跡

近くには、はけうえ遺跡や平代坂遺跡、中山谷遺跡があり、これらは野川流域の遺跡群を構成しています。このように、地域全体には多くの古代の遺跡が点在しており、考古学的に非常に重要なエリアです。

まとめ

西之台遺跡は、後期旧石器時代から縄文時代にかけての文化的背景を知る上で重要な場所です。周辺の遺跡とも連携しながら、この地域の歴史を明らかにする手助けをしています。発掘によって得られた資料は、今後の研究においても貴重な参考となるでしょう。

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