西原稔

西原稔（にしはら みのる）は、1952年8月19日生まれの日本の音楽学者であり、桐朋学園大学で教授および音楽学部長を務めています。山形県出身で、東京藝術大学音楽学部を卒業後、同大学院の博士課程を単位取得満期退学しました。

西原氏は、尚美学園短期大学講師、桐朋学園大学講師、助教授を経て、教授に就任しました。

西原氏の研究は、特に19世紀ヨーロッパの音楽史に焦点を当てており、社会史的な視点からのアプローチを特徴としています。音楽と社会の関係、音楽家の生活、音楽文化の発展など、幅広いテーマに取り組んでいます。また、ベートーヴェンの研究でも知られており、彼の音楽作品や生涯に関する深い知識と洞察に基づいた分析は、高く評価されています。

西原氏は、著書や翻訳を通じて、音楽に関する知識を広く一般に伝える活動も行っています。彼の著作は、音楽史、音楽理論、音楽文化など、多岐にわたるテーマを扱っており、専門家だけでなく、一般の音楽愛好家にも読みやすいように書かれています。また、翻訳家としても、クルト・ホノルカやクラウス・ウムバッハなど、著名な音楽学者の著作を日本に紹介しています。

主な著書

『音楽家の社会史 19世紀ヨーロッパの音楽生活』（音楽之友社、1987年）
『聖なるイメージの音楽 19世紀ヨーロッパの聖と俗』（音楽之友社、1990年）
『ピアノの誕生 楽器の向こうに「近代」が見える』（講談社選書メチエ、1995年、青弓社、2013年）
『「楽聖」ベートーヴェンの誕生 近代国家がもとめた音楽』（平凡社選書、2000年）
『音楽史ほんとうの話』（音楽之友社、2005年）
『クラシック名曲を生んだ恋物語』（講談社+α新書、2005年）
『ブラームス』（音楽之友社、作曲家・人と作品シリーズ、2006年）
『クラシックでわかる世界史 時代を生きた作曲家、歴史を変えた名曲』（アルテスパブリッシング、2007年）
『音楽家の社会史』（音楽之友社、オルフェ・ライブラリー、2009年）
『ピアノ大陸ヨーロッパ 19世紀・市民音楽とクラシックの誕生』（アルテスパブリッシング、2010年）
『シューマン全ピアノ作品の研究』（音楽之友社、2013年）
『世界史でたどる名作オペラ』（東京堂出版、2013年）

共編著

『ベートーヴェン事典』（平野昭,土田英三郎共編著、東京書籍、全作品解説事典、1999年）
『ウィーン 多民族文化のフーガ』（饗庭孝男,伊藤哲夫,加藤雅彦,小宮正安,檜山哲彦,平田達治共著、大修館書店、2010年）
『アインシュタインとヴァイオリン 音楽のなかの科学』（安生健共著、ヤマハミュージックメディア、2014年）

翻訳

クルト・ホノルカ『『魔笛』とウィーン 興行師シカネーダーの時代』（平凡社、1991年）
クラウス・ウムバッハ『金色のソナタ 音楽商業主義の内幕』（玉川裕子共訳、音楽之友社、1995年）
ジョン・ウォラック,ユアン・ウエスト編著『オックスフォードオペラ大事典』（大崎滋生共監訳、平凡社、1996年）
『ベートーヴェン大事典』（バリー・クーパー原著監修、平野昭,横原千史共訳、平凡社、1997年）
アレグザンダー・リンガー編『ロマン主義と革命の時代 初期ロマン派』（監訳、音楽之友社、西洋の音楽と社会、1997年）
* ミヒャエル・シュテーゲマン『サン=サーンス』（音楽之友社、大作曲家、1999年）

西原稔氏は、日本の音楽研究において重要な役割を果たしており、その業績は、音楽界に多大な影響を与えています。

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