西名古屋港駅

西名古屋港駅：名古屋港を支えた貨物駅の歴史

西名古屋港駅は、かつて愛知県名古屋市港区に位置し、JR貨物とJR東海が管理する駅でした。東海道本線支線、通称「西名古屋港線」の終点として、貨物輸送において重要な役割を果たしました。しかし、利用の減少と名古屋臨海高速鉄道西名古屋港線（あおなみ線）の建設に伴い、その歴史に幕を閉じました。

駅の概要

西名古屋港駅は、その晩年、JR貨物グループの東京液体化成品センター名古屋営業所への側線が唯一残されていました。この施設は、工場で生産された化学薬品を貨車で輸送し、一時的にタンクに貯蔵した後、タンクローリーに詰め替える中継地点として機能していました。希硝酸、濃硫酸、苛性カリなどの危険な化学薬品が、タンク車によって運ばれていました。

貨物線としての終点であった西名古屋港駅ですが、最盛期の1970年代には、さらに先の潮凪埠頭や空見町まで線路が延びていました。名古屋港管理組合の専用線や、ニチハ名古屋工場、中部鋼鈑工場への専用線も存在し、名古屋港の物流を支えていました。名古屋港管理組合の専用線では、主に石炭埠頭で取り扱われる石炭の輸送が行われており、専用線内からは、日本セメント名古屋サービスステーションや明星セメントの名古屋包装所専用線が分岐し、セメントの取り扱いも行われていました。

1968年10月からは、海上コンテナの取り扱いも開始され、当駅と品川駅の間で輸送が開始されました。1972年7月には、当駅と神戸港駅の間で海上コンテナ輸送専用列車も設定されましたが、1980年までに全廃となりました。現在潮凪車庫となっている場所には、海上コンテナ荷役用のクレーンが設置されていました。専用線が廃止された後も、あおなみ線が着工されるまでは、当駅の先の線路がわずかに残っていました。貨物線時代、金城埠頭内まで線路が敷設されたことはありません。

現在、西名古屋港駅があった場所には、名古屋臨海高速鉄道西名古屋港線（あおなみ線）の潮凪信号場が設けられています。

歴史

西名古屋港駅の歴史は以下の通りです。

1950年（昭和25年）6月1日：開業。
1980年（昭和55年）4月20日：コンテナ貨物の取り扱いを廃止。
1987年（昭和62年）3月31日：旅客営業を開始。戸籍上、一般駅となる。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化により、JR貨物・JR東海の駅となる。
2001年（平成13年）3月31日：廃止。

隣の駅

東海旅客鉄道（JR東海）
東海道本線支線（西名古屋港線）
名古屋貨物ターミナル駅 - 西名古屋港駅


西名古屋港駅は、その役割を終えましたが、名古屋港の物流を支えた重要な存在として、その歴史は語り継がれています。

脚注

[1] 国土地理院地図

関連項目

廃駅
日本の[[鉄道駅]]一覧

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