西周 (王朝)

西周の歴史

西周（せいしゅう、紀元前1045年から紀元前771年まで）は、古代中国における周王朝の初期を成す時代であり、武王による殷王朝の征服から始まりました。武王は、牧野の戦いで殷を破り、以後周王朝が成立しました。しかし、紀元前771年には犬戎により首都鎬京が侵略され、この時に幽王が殺されて西周は終焉を迎えました。

初期の栄光と衰退

西周の最初の75年間は王国にとって繁栄の時期でしたが、次第にその力は衰えていきました。周王朝は、先代の殷王朝の領土を封建制度に基づき分け、地方の領主が次第に王朝からの独立を図るようになりました。紀元前771年には、周王朝は渭水流域から追い出され、名目上の封臣が実権を握ることとなりました。

内乱の時代

記録の乏しい西周の初期において、武王が短命であったため、彼の息子成王は幼少で、摂政として周公旦が政治を担当しました。しかし、周公旦の権力が強化されるにつれ、他の王族や領主が反発し、三監の乱が勃発しました。周公旦はこれを鎮圧し、王朝の支配を確立しました。彼はまた、天命の教義を策定し、洛陽を新しい中心地としました。

封建制においては、多くの領土が王家の一族や将軍に与えられ、王朝の支配範囲は拡大しましたが、この領土の多くは次第に王朝が弱体化するにつれ、各地で権力を増していきました。成王と康王の治世においては比較的平和な時代が続きました（成康の治）。

王の交代と衰退

その後、第4代王の昭王は楚に対して遠征を行うも失敗し、周軍の多くが戦死しました。その子、第5代王の穆王は西王母を訪ねたことで知られていますが、この時期に周王朝の地位は相対的に衰退していきました。周辺の封建領主たちも独自に力を強め、王朝との関係が希薄になっていったのです。

続く王たち（共王、懿王、孝王、夷王）については文献が乏しく、特に第9代王の夷王が斉の哀公を殺したとされる事件は、封建領主の反抗を示しています。第10代王の厲王は、初の農民反乱により追放され、14年間共和の摂政が続く事態となりました。厲王が亡くなると、息子の宣王が権力を握りますが、やはり諸侯は次第に従わなくなりました。

幽王の時代と西周の終焉

西周の最後の王である幽王（紀元前781年–紀元前771年）は、自らの妻と側室を入れ替えたことから反乱を招く結果となりました。紀元前771年、彼は申侯の軍により殺され、この出来事により地方での戦乱が再び激化します。この混乱は、秦が統一するまで続くこととなりました。幽王の死によって周王朝は大きく揺れ動き、鎬京から撤退した周の貴族たちは新たに洛邑（洛陽）に遷都し、東周の時代が始まりました。

このように、西周は栄光と衰退を経験し、古代中国の歴史において重要な位置を占める時代であったことが分かります。

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