西園寺公兼

西園寺公兼（さいおんじ きんかね）は、南北朝時代（14世紀）に活躍した公卿の一人です。彼は右大臣を務めた西園寺実俊の次男として生まれ、公家社会において重要な地位を占めました。

生涯

公兼は、主に後村上天皇（97代）と長慶天皇（98代）の治世において朝廷に仕え、その官位は従二位・権大納言にまで昇りました。正平22年/貞治6年（1367年）に従三位に叙せられ、公卿の仲間入りを果たします。その後、応安4年（1371年）には参議に任じられ、朝廷内での影響力を増していきます。応安7年（1374年）には権中納言に昇進し、さらに天授5年/康暦元年（1379年）には権大納言という要職に就きました。しかし、弘和元年/永徳元年（1381年）に職を辞し、その後の動向は詳らかではありません。

家系

公兼の名跡は、彼の子である西園寺実敦に受け継がれました。この系統は西園寺家の分流という位置づけになりましたが、分家として完全に定着する前に、実敦の子である西園寺実種の代で実子なくして絶えてしまいました。そのため、公兼の系統は短命に終わったと言えるでしょう。

家族構成

父：西園寺実俊（1335年 - 1389年）
母：家女房
妻：不詳
男子：西園寺実敦 - 参議
* 男子：西園寺実光 - 権大納言

このように、西園寺公兼は南北朝時代の公家社会において一定の地位を築いた人物であり、その家系は短期間ながらも歴史に名を残しました。彼の生涯は、当時の公家社会の盛衰や、家系の存続といったテーマを考える上で興味深い事例と言えるでしょう。

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