西園寺実俊

西園寺実俊（さいおんじ さねとし）は、南北朝時代に活躍した公卿です。権大納言・西園寺公宗の長男として生まれ、母は典侍の日野名子でした。最終的な官位は従一位・右大臣にまで昇りつめました。

実俊の人生は、父・公宗の事件によって大きく翻弄されます。公宗は建武2年（1335年）、後醍醐天皇暗殺計画に関与したとして処刑されました。実俊は、父の死後、探索の目を逃れながら育てられたと言われています。当時の西園寺家の家督は、暗殺計画を密告した叔父・公重が継承しました。

実俊が歴史の表舞台に姿を現すのは、北朝に仕えて建武4年（1337年）に従五位下となった時でした。暦応3年（1340年）には、母と共に西園寺家北山第に入ります。その後、康永3年（1344年）に従三位、貞和5年（1349年）には正三位・権中納言へと昇進を重ねました。

文和2年（1353年）、叔父である公重が南朝に仕えたため、実俊に家督が回ってきます。同年には権大納言に任じられ、西園寺家の当主としての地位を確立しました。その後も順調に昇進し、貞治3年（1364年）には内大臣、貞治5年（1366年）には右大臣に任じられました。永和元年（1375年）には従一位に叙せられています。

康応元年（1389年）6月8日に出家し、その約1ヶ月後の7月6日に55歳でこの世を去りました。


参考文献

橋本政宣 編『公家事典』、吉川弘文館、2010年
近藤敏喬 編『宮廷公家系図集覧』、東京堂出版、1994年

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