西安碑林博物館

西安碑林博物館の概要

西安碑林博物館は、中国陝西省西安市の碑林区に位置し、「中国最大の石造の書庫」と称される重要な文化施設です。この博物館は、石碑や墓碑、金石文、墓誌銘、石彫刻など、多種多様な文物を多数収蔵しており、中国の歴史や文化を深く知ることができる場所となっています。

沿革

西安碑林博物館は、その起源を1087年に遡ることができます。当時、唐代の石碑を守るために設立された西安碑林が、博物館の基盤となりました。この博物館では、唐の開成石経や石台孝経が保存されており、歴史的な遺産を後世に継承する役割を担っています。1944年には、古代建築物群を拡充し、西安碑林博物館として正式に設立されました。1961年には国の重要文化財として認定され、2018年には中国の5A級観光地に指定されました。

所蔵品

現在、博物館には約11,000点以上の文物が収蔵されています。その中には、国宝に指定されている19点、1級文物が272点含まれています。特に、碑林にはおよそ1,000基の石碑が展示されており、さらに北魏・隋・唐の墓誌も300点以上が収められています。これらの所蔵品は、中国の歴史や文化を知るための貴重な資料です。

文物の展示

博物館内には、いくつかの展示室が設けられており、そこでは様々な時代の文物が紹介されています。周秦漢展示室では、西周時代の青銅器が展示されています。隋唐展示室には、隋の大興城の平面図があり、これは唐の長安城のモデルにされたものとして知られています。

さらに、他にも注目すべき文物がいくつかあります。例えば、蘇諒妻馬氏の墓誌や、和同開宝の銀貨、ローマの金貨、壁画迎賓図など、貴重な石刻も70余点が展示されています。特に注目されるのが、唐代に作成された開成石経で、孝経や論語、詩経などが刻まれています。また、欧陽詢による「皇甫誕碑」や、顔真卿の「顔氏宗廟碑」など、唐代の著名な書家による作品も展示されており、これらは書道の歴史を知る上でも重要な資料となっています。

所在地と訪問情報

西安碑林博物館の所在地は、中国陝西省西安市碑林区三学街15号で、観光客も多く訪れる人気の場所です。開館時間は8:30から18:00までで、入場料は季節によって異なります。春から秋にかけては75元、冬季は50元で入館できます。

関連人物

この博物館には、王岐山と呼ばれる著名な人物が関連しています。彼は、中国共産党中央政治局の常務委員であり、陝西省時代にこの博物館で勤務していた経歴があります。

西安碑林博物館は、その豊富な文物と歴史的背景から、中国の文化遺産を体験する貴重なスポットです。訪れることで、古代中国の歴史を直に感じることができるでしょう。

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