西寧州 (青海省)

西寧州の歴史

西寧州（せいねいしゅう）は、中国にかつて存在した州であり、モンゴル帝国とその後の大元ウルスの時代にあたる。現在の青海省西寧市付近に位置し、元々は唐代の鄯州を前身としている。この地域は、唐が滅亡した後、北宋を経て西夏国の一部となった。しかし、1227年にチンギス・カンによる西夏国の征服に伴い、モンゴル帝国の領土に組み込まれた。

チンギス・カンが西夏国を征服した際、彼は西夏の領土を内部分け合い、山丹は次子のチャガタイに、西涼は三子オゴデイに与えられたが、西寧州はコンギラト部のチグゥ家に与えられたと見られている。これは、彼らが征服されたばかりの地域に移住し、チンギス・カンの娘を娶ることで、地元の権力構造に組み込まれたことを示している。『集史』の「コンギラト部族志」には、チンギス・カンがチグゥに4千人の部隊を与え、長女を彼に嫁がせたことが記されており、チグゥ家はこの地域に根を下ろしていった。

1260年代に入ると、モンゴル帝国内での権力闘争が勃発し、クビライとアリク・ブケの間で内戦が生じた。チグゥ家の子孫であるジャンギ・キュレゲン（章吉駙馬）は、クビライに付き従い、その支援を受けて地位を安泰に保つことができた。また、1286年（至元23年）には「西寧州等処拘榷課税所」が設置され、翌年にはジャンギが「寧濮郡王」として封じられた。この称号は「西寧」とチグゥ家が掌握していた濮州に由来している。

その後、明朝の成立に伴い、朱元璋が新たな政権を樹立し、西寧州には西寧衛が設置された。このように、西寧州はモンゴル帝国時代から明朝にかけて、さまざまな政治的な変遷にあいながら、その存在を維持してきた。

参考文献

• - 志茂碩敏『モンゴル帝国史研究 正篇』東京大学出版会、2013年
• - 杉山正明『モンゴル帝国と大元ウルス』京都大学学術出版会、2004年

このような西寧州の歴史は、モンゴル帝国の統治下における地域の変遷や、チグゥ家などの家門における影響力を物語っている。

もう一度検索