西本鶏介

西本鶏介（にしもと けいすけ、1934年9月30日 - ）は、日本の児童文学作家、児童文学評論家であり、昭和女子大学の名誉教授です。彼は、日本児童文学者協会、日本児童文学学会、日本文芸家協会、日本児童文芸家協会に所属し、坪田譲治文学賞の選考委員も務めています。

略歴

西本鶏介は、奈良県高市郡（現大和高田市）で、県庁職員の長男として生まれました。幼少期には、児童文学者の中川正文が主催する子ども会に参加しました。1958年に國學院大學文学部日本文学科を卒業。大学在学中の3年生の時に、句集『薔薇と母』を刊行し、俳号を鶏介としました。大学卒業後、医学系の出版社に勤務しましたが、文学への情熱を捨てきれず、山本和夫らの「トナカイ村」に参加しました。

1988年、昭和女子大学文学部の教授に就任し、2003年には人間文化学部の教授となりました。2004年に名誉教授となり、2005年に退職。2005年には、第36回巖谷小波文芸賞特別賞を受賞しました。

人物

西本鶏介は、児童文学の分野で評論や創作活動を通じて多大な貢献をしました。代表的な評論としては、「こんにちは未明おじさん」（1965年）が挙げられます。この評論は、当時、古田足日の「さよなら未明」や石井桃子らの『子どもの文学』など、一連の小川未明批判に対し、未明の作品の価値を再評価するものでした。小川未明は、その作風が暗いなどと批判されていましたが、西本は「児童文学の伝統と創造」や「こんにちは未明おじさん」などの評論を通じて、未明の文学を擁護し、児童文学界で頭角を現しました。また、民話に関する著作も多く発表しています。

著書

以下は、西本鶏介の主な著書の一部です。

『児童文学の創造』（大阪教育図書） 1970
『シューベルト』（小峰書店、幼年伝記ものがたり） 1972
『日本のざんこく話』（編著、偕成社） 1974
『空想と真実の国 児童文学論集』（芸術生活社） 1974
『風の神と子どもたち』（家の光協会、日本の民話） 1976.11
『やさしいびんぼう神』（小学館） 1976.10
『宮沢賢治』（主婦の友社、少年少女世界伝記全集） 1977、のち講談社火の鳥伝記文庫
『きたかぜのくれたテーブルかけ』（フレーベル館） 1978.2
『クレヨンをくれたおんなのこ』（旺文社） 1978.5
『たのしい行事 春・夏・秋・冬』（講談社） 1979.3

（以降、多数の著書が続きます）

西本鶏介は、児童文学の創作、評論、研究を通じて、日本の児童文学の発展に大きく貢献しました。彼の作品は、子どもたちの豊かな心を育み、文学の世界への興味を喚起するものとして、高く評価されています。

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